ひだまりPはこう語った

ちゅんちゅん、ハローラブライブ!「人生をラブライブ!にする」をモットーにあれこれ語ります。

【前編】スクールアイドルミュージカル計4公演感想とレポート~それがスクールアイドルなんだ!~

いつでも大好きなあなた追いかけて

 いつでも全力の君を助けるから!

 

 ちゅんちゅん、ハローラブライブ!どうもひだまりPです。

 皆さん、「スクールアイドルミュージカル」は何回行きましたか?12月の東京公演中にも、ネタバレ無しの「スクールアイドルミュージカルおすすめ記事」をnoteの方にアップさせて頂きましたが、今回は一応全公演が終了したということで、ネタバレを含む全編感想記事を書いていきたいと思います!

 

↓ネタバレ無し記事

 

 ちなみにひだまりPは東京公演に2回大阪公演に千穐楽を含む2回観に行きました。noteにも書いていた通り、元々の期待値はほぼゼロで「ラブライブ!」の名を冠しているから一応観るだけ観に行ってみるかくらいのモチベーションだったんですが…

 

 

 はい。蓋を開けてみれば下馬評をひっくり返す傑作で、インターネットの反応やいつもラブライブ!にお気持ち表明ばかりしているひだまりPの質問箱ユーザーですら、こぞって称賛の声が上がりました。公演初日から口コミが徐々に拡散されるにつれ「あの世界をもう一度観たい」とリピート参加するオタクも急増。そしてこのひだまりPも12月の東京公演を2回鑑賞したのち、1月は夜行バスに飛び乗り大阪まで行って千穐楽公演を観に行ってきました

 

 と言うことで、ここからレポートです!

 

*注意*

ここから先の内容には「スクールアイドルミュージカル」のネタバレを含みます。

 

 

 

もくじです。

 

※2023.08.04 記事中のうろ覚え歌詞を正しい歌詞に修正しました。

 

新国立劇場レポート

 ひだまりPが最初に公演を観に行ったのは公演3日目の12月12日夜公演、そして翌日13日の昼公演もチケットを取っていました。会場は東京・初台にある新国立劇場

 

 「新国立」と聞いて演劇知識ゼロのひだまりPが最初に思い出したのは劇場版レヴュースタァライトチケットの先行抽選は2回申し込んで2回とも落選し、「新国立なんてしょうもないわ」と思いかけていたひだまりPでしたが心の中の石動双葉がしきりに「新国立行かねぇってどういう事だよ!?!?」とブチ切れるので一般販売でやっとのことチケットを確保し、観にくる事を決めました。もし劇場名が新国立劇場じゃなかったら見に来てなかったかも。そう考えるとこれも巡り合わせでしたね。

 ちなみに劇場版レヴュースタァライトに登場した新国立第一歌劇団の劇場は銀座にある東京宝塚劇場です。しょうもな。ウチが一番しょうもないわ…

 

 1日目の開場時間は17時だったので、ひだまりPは朝から豊洲市場でチャーシューエッグ定食を肴にレモンサワーを飲んだり、千駄ヶ谷にある将棋会館を訪れてみたり、ラブライブ!スーパースター!!でおなじみ新国立競技場澁谷かのんにチ○ポを見せようとして石にされた男たちの像を見たりして過ごしていました。

 

 

A depressing sky 

 

 そんなこんなで新国立劇場へ到着。田舎者のひだまりPは新宿駅で京王新線への乗り換えにめちゃめちゃ苦戦しました。

 

 観終わった今となってはこのポスターもプレシャスな輝きを放って見えますが、最初にスクールアイドルミュージカルの情報が解禁された時はキャラ情報はSDキャラのみで実写キャスト10人+おばさん2人がドーン!の光景に息を呑んだというか、本当にこれがラブライブ!なのかと懐疑的になったものでしたが今となっては同年に放送されたアレの2期とかアレの2期よりよっぽどラブライブ!でしたね…

 

 ちなみにひだまりP初日は2階席、2日目は1階席でした。やはり1階席で近い所の方がキャストさんの演技や表情などもよく見えますが、2階席から俯瞰で観るのも悪くないですね。

 

 そして、スクールアイドルミュージカルが───開演しました。

 

 

スクールアイドルミュージカル(第一幕)

 

あらすじ

兵庫と大阪、関西に位置する二つの伝統校。
芸能コース選抜アイドル部の活躍で
ブランド化に成功した大阪・滝桜(タキザクラ)女学院と、
昔ながらの進学校、兵庫・椿咲花(ツバキサクハナ)女子高校。
対立する2校の理事長の娘である二人の少女が
アイドル活動を通じて出会うことで、
彼女たちを取り巻く小さな世界に、
大きな変化が生まれていく―。

大事な約束より大事なことを探して……。

新たな舞台(セカイ)で始まる、「みんなで叶える物語(スクールアイドルプロジェクト)」。
いま、スクールアイドルをはじめよう!!

ストーリー | 「スクールアイドルミュージカル」公式サイト

 

M2 きらりひらり舞う桜

いいじゃん!!!!!

 

 さすがのひだまりPもこの時点で手のひらくるりんMIRACLEでした。

 ということで開幕いきなり滝桜女学院のメンバーによる「きらりひらり舞う桜」。キレッキレのダンスと歌にひだまりPの目線は釘付けでした。この時点でもう「本当にラブライブ!なのかな?」という不安は雲散霧消し、昨日はもう遠い過去のように新しい何かに期待してるひだまりPがいました。

 初見の時は「すげぇ!ラブライブじゃん!!」と目をキラキラさせていたひだまりPですが、よく観るとこの時点でもセンターの滝沢アンズを差し置いて目立とうと前に出ている若槻ミスズとかちゃんとストーリーに繋がる演出が意識されているんですよね。ただ初見時は本当にキャラの名前すらちゃんと把握してなかったレベルでもその雰囲気は掴むことができたので凄いと思いました。

 あと何でもいいんですけど、コロナで声出し禁止とかはあったにしてもペンライトも何も持たずに全員地蔵でスクールアイドルの生のライブを見てるっていうシチュエーションが普通に初めてでシュールでしたね。

 

 しかし一番ヤベェのはこの後で登場します。

 

M3 あなたがセンター

キョ:みんなお疲れ様!
   良かったわ!特に新入生
   成長してるわね!
『ありがとうございます!』
キョ:それに比べてアンズ
   伸び悩んでるようね?
   こんな程度のダンスで息を切らしてるなんて
   ミスズ トア レナ サヤカ
   また一段と輝き増してる
   彼女たちばかりに目が行くわ
『ありがとうございます!』
キョ:センターはあなたなのよ
   そんなことでどうするの!
   しっかりしなさい
アン:『すみません理事長!』
キョ:もっと厳しく指導しなさい!ミスズ
   あなたにかかっているのよ
ミス:『申し訳ございません!』
キョ:新設した芸能コース
   ここ関西では知られるようになった

 

全員:いまこそ羽ばたくとき
   メジャーデビューは近い
   次の文化祭のステージで
   華々しく飾る
   全国からメディアが集まる
   ここが勝負時

キョ:気を引き締めて
   練習しなさい!
『はいっ!』

 

気を引~き締~めて~~↑↑~~~↑↑~~♪♪♪

 


↑会場内の俺たち

 

 スクールアイドルミュージカル要注目ポイント、「理事長がヤバ過ぎる」。滝桜女学院、滝沢キョウカ理事長役の岡村さやかさん椿咲花女子高等学校、椿マドカ理事長役の蒼乃夕妃さん。両名とも演劇界での輝かしい経歴を持つ大ベテランで、このミュージカルを牽引してくれています。ラブライブ!シリーズでは学校のトップに理事長がいて、かつスクールアイドルのメンバーの誰かがその関係者だというのが毎度お約束でしたがこのスクールアイドルミュージカルでは理事長も歌います。理事長も歌うって斬新ですよね。いや、浦の星女学院の理事長も歌ってただろ。蜜柑休題。

 

 この「気を引き締めて」を聴いた瞬間に滝桜のメンバーだけでなく、会場内にいたオタク達も皆褌を締め直しました。これから「ものすごいこと」が始まるんだぞ、という期待に会場が満ちているのが感じられましたね。

 

 ちなみにこのM2~M5あたりのダイジェスト映像がYoutubeに公開されていて観ることができるんですが、理事長に「それに比べてアンズ伸び悩んでるようね?」と言われた時のアンズが普通に笑っちゃってるんですよね。

 


なにわろとんねん

 


(※1:40あたり)

 

 これがそういう演出なのか、それとも理事長が上手すぎて素で笑っちゃったのか分からないんですが…いや失礼過ぎる。流石に素で笑っちゃったなんていうことは無いと思うんですが、一応ストーリー的にはこの場面だとなにわろとんねんって言われてもおかしくないと思うので、ちょっと真実は分からないですね。そもそも客席からはこのシーンでのアンズの表情は見えないので、この映像が残っている公演だけだったのか他の公演でもこの時笑顔なのかは分からないです。

 

 あと本記事では上記のように随所で挿入歌の歌詞を掲載していますが、ひだまりPがミュージカルに集中しながら殴り書きでメモを取っていた内容を元にしているので内容の正確性については大いに疑問の余地が残ることご容赦下さい。「あなたがセンター」は大部分がダイジェスト映像に残っているのですが、「新設した芸能コース~」のあたりはちょっとあやふやですね。

 「きらりひらり舞う桜」も大部分がダイジェスト映像に残っているので歌詞掲載していません。

 

 ──あっ、カメラ止まってます理事長。

 

 ということで、この時点で滝桜女学院芸能コースのメンバー、そして理事長の娘である滝沢アンズは理事長に目をかけられているが最近伸び悩んでいることなどが分かりますね。

 

 そして場面は転換して、椿咲花女子高等学校のシーンへ。

 

M4 夢見る世界

 椿咲花女子高等学校に通う2年生、椿ルリカはテレビで見た滝桜女学院アイドル部の滝沢アンズへ思いを馳せます。

 さてルリカ自身はこの後のシーンで分かる通り関西トップの名門進学校で常に成績トップを取り続ける超秀才で、SDキャラを見てもいかにもお嬢様感が溢れる女の子なんですがそのルリカを演じる堀内まり菜さんの第一印象は丸顔で愛嬌たっぷりの、どちらかと言えばお嬢様のイメージよりも可愛い女の子という印象が強かったです。そして劇が進むにつれて分かっていくようにルリカ自身も人懐っこい元気印の女の子なので、堀内まり菜さんの演技のイメージにぴったりハマっていましたね。

 ひだまりPもラブライブ!の向き合い方は基本的にまずキャラクターがありきなので、他の登場人物はキャラクターの外見を重ね合わせて見ているんですが正直な話ルリカだけはあまりにも堀内まり菜のイメージになっているというか、ルリカだけはSDキャラの印象よりもキャストの顔が焼き付いています。それくらい役にハマっていたのがまず印象的でしたね。

 

そして……

 

 

 \勉強~~~!/ \勉強~~~!/

 

 ここめっっっっちゃ好き。

 

 ぶっちゃけ前情報やあらすじだけ見た所だと、滝桜にも椿咲花にも元々「スクールアイドル」がいる、と思ってたんですよね。普通にスクールアイドル同士でライバル関係って事なんだと思ってて、それが蓋を開けてみれば椿咲花はアイドルなんて縁もゆかりも無いお嬢様進学校で、そんな中でも成績トップのお嬢様がスクールアイドルに憧れを抱くところから始まるって何そのありそうでなかった設定

 

 滝桜のアイドル要素もキャッチーでしたけど、椿咲花がお堅いお嬢様学校であることや、ラブライブ!シリーズお馴染みの廃校が絡んできそうな問題を抱えていることなどこのくだりで一気に椿咲花に引き込まれるんですよね。そして何よりこの教科書持ったまま5人+アンサンブルの8人でリズミカルなダンスしてるのが好きすぎる。

 滝桜にも椿咲花にもこの時点では「スクールアイドル」という概念はないんですけど、どちらの学校もそれぞれ別のアプローチから「学校でアイドル」というラブライブ!の骨子を体現しているのが凄かったですね。

 

 このキャッチーな椿咲花の学校紹介ソングもめちゃめちゃ好きですし、この後の会話劇がまさしくミュージカルって感じで最序盤から上昇しっぱなしの期待感を更に昇華させてくれました。主人公であるルリカが天真爛漫とした雰囲気とは裏腹に関西名門の進学校で毎週成績トップを取り続ける秀才であること、ラブライブ!の超重要ワードである「幼馴染」という属性を持ったユズハちゃんの存在、クソレズ後輩のユキノちゃんフィジカル担当でサバサバ系のヒカルちゃん、そしてオタク気質で天然おバカのマーヤちゃん。いやひだまりP、ぶっちゃけキャラ相関図とか殆どナナメ読み程度で観に行ってたし学校名くらいしか把握してなかったんですけどこの一連のシーンだけで椿咲花メンバー5人の人となりや大体の立ち位置が分かりましたからね。マジですごい。

 

 このパートまではYoutubeに上がっているダイジェスト映像でも観られるんですけど、動画で観ると劇場では気づけなかった演出まで見えてきて新しい発見が無限にあるのでマジで速やかに映像化して欲しいんですよね。マーヤが「気分転換大切だよ!私とパフェ食べに行こう~♪」ってルリカを誘うシーンで曲に合わせて後ろのアンサンブルのメンバーがリズミカルに踊ってるのとかお前を芸術sん…にしてあげんだよ!お前を芸術s、品にしたんだよ!お前を芸術品にしてやるよ(小声)

 

 ちなみに、ルリカがTVでアンズを見たシーンからこのクソレズ劇場の終わりまで全部ひっくるめて「M4 夢見る世界」で1曲になっています。

 

M5 伝統の系譜

マド:120年の歴史を誇る我が校
   伝統と品格を重んじ代々守ってきた
   一流の教育者集め
   学力も全国トップレベル
   その優秀な教師たちを納得させるため
   まず第一にあなたに必要なもの
   学力を置いてほかにない
   わかるでしょう?

ルリ:わかるわママの言いたいこと
   私に一番必要なこと
   誰よりも勉強することね

マド:今は大変かもしれないけど
二人:きっと将来のためになる
マド:あなたの為を思えばこそ

ルリ:私の
マド:あなたの
二人:今やるべきこと
ルリ:今を大事に
マド:流されないで
二人:やるべき事
   悔やむことのないように

 マドカ理事長懇親のお説教。ラストの「悔やむことのないように」母娘ハモリが気が狂うほど気持ちええんじゃ。

 ルリカとママの関係性も分かった所で、意外とこういう親とのしがらみってラブライブ!のと言うか公野櫻子先生の世界観ではあるあるなんですよね。アニメで描かれたのはサンシャイン劇場版の鞠莉ちゃんとかニジガクのせつ菜とか、あとは公野先生のSchool idol diaryでは真姫ちゃんパパもこのタイプで、ダイヤの父もちょっとその感じがありますね。並べてみて思ったけどラブライブ!でメンバーカラー赤って毒親の系譜なの?まぁ毒親は言い過ぎですけど。ちなみにこのミュージカルでメンバーカラー赤担当はアンズです。じゃあそうじゃねえか。

 

(歌:椿ルリカ)

パパとの約束
パパと最後に交わした約束
ママを助けること
ママを悲しませないこと
ママと支え合っていい子でいること
それが私にとっての一番の世界
大事な約束
大事な約束

 

M6 目指せメジャーデビュー

滝桜芸能コース 注目度は年々上がり

ここから開ける明るい未来 スターになる最短ルート!

 ここ滝桜の各メンバーのアピールタイムみたいなパートがあったんですけど全部は覚えられませんでした…滝桜はサヤカがハーフで一人だけ制服を着崩しているので結構目立つ存在なんですけど、見た目的に彼女がダンス担当なのかと思いきやサヤカのアピールは「誰よりも伸びやかな声 マイクなんていらないわ」と、ボーカル寄りなんですよね。そしてスクールアイドルミュージカルで一番陰の薄かった女、レナが実はダンス担当で「私の輝く瞬間 ダンスは誰にも(負けない?)」的な事を言ってました

 

 そして部長という立場で皆を指導しながらもアンズがセンターであることに思うところを秘めているのはミスズ。そんなミスズの含みのある言い方に過剰なほどブチ切れている情緒不安定クソレズ後輩はトアちゃんです。ぶっちゃけミスズはそこまでアンズを下げるような事は言ってなかったと思うんですけど、「ミスズ先輩の言い方!!!まるでアンズ先輩がセンターに相応しくないみたいに!!!?!?!!!!?!!」って大声でキレ散らかしててオモロかったですね。

 

 余談ですけどひだまりPは予めキャラの名前を全部覚えていなかったから「永久(とわ)ちゃん」だと聞き間違えてしまって、宮下愛の息子「本気(まじ)きゅん」みたいなネーミングだなぁとかどうでも良い事を考えてましたね。っていうか両学校にクソレズの後輩いるのオモロイですね。

 

M8 なりたい自分

(歌: 滝沢アンズ)
物心ついた頃には
おもちゃのマイク片手に持って
歌い踊り 時を忘れた
そんな私を見るお母さん
笑って喜んでくれた
もっと褒められたくて
夢中で練習した日々
そしていつしか憧れた世界は
目の前に届きそうで
だけどなんでだろう?
あの頃のワクワクは
どこかに置き忘れたみたいに
どんどんぼやけていく
夢見ていた姿 もうずいぶん見ていない
(?)

ラストの部分だけメモできてませんでした。

 

 メジャーデビューを目前に控えて実力が伸び悩んでしまうアンズ。これまで「好き」の気持ちを原動力に成長してきたからこそ、学校という「背負うもの」ができたときに、その重さで立ち止まってしまったんですね。そういう意味では、まさしく椿咲花を継ぐためにずっと親の言うまま勉強をしてきたルリカと同じ境遇にあると言えるかもしれません。

 この曲は後半に出てくるキョウカ理事長の歌とも対になっていて、「もうずいぶん見ていない」というフレーズが共通で登場するんですけど、まさにそれがキョウカ理事長とアンズの関係性のブレを一言で表しているワードだと思いますね。

 

M9 きらりひらり舞う桜Rep

 ここほんっっっっっと好き。

 

 これ最初何が起こってるのかわからなくて、ルリカの見てる夢を表現してるんだと分かって鳥肌立ったんですよね。ミュージカルならではの演出でめちゃめちゃ良かった。そしてそれが分かった状態で2回目を観ると、ルリカがステージの上にいるのにはしゃぎながら滝桜のメンバーにちょっかい出しに行ってるのとかがすげぇ解像度高くて、もし自分が夢でラブライブ!のステージに立っていたらこんなんなるんだろうなって納得感が凄かった。マジですごい。

 

 ちなみにこれ「きらりひらり舞う桜」の歌詞で、本来は「電車で駅で学校への坂道で 
教室で 校庭で 廊下で図書室で君と目が合った気がする!」のところが、ルリカの夢バージョンでは「汽車で山で学校へのあぜ道で トイレで裏庭で体育館の倉庫で…誰か、私を見つけてーっ!」って歌詞になってるんですよね。初見のとき、まさかラブライブ!の曲で「トイレ」が歌詞に出てくるなんて思わないからギョッとしたのを覚えてますね。

 

 そしてルリカが急に成績を落としたり自習中に居眠りをしたり、今までのルリカには考えられなかった奇行が目立つようになった事情をいつまでも濁していることに業を似やしたユズハが「ちゃんと言わないと分からないでしょおーっ!!!」ってキレながら上半身をグルグル回転させる、通称ユズハトルネードを出したのも確かこのあたりのシーンでしたね。これはひだまりPの思い出補正も入ってるのかもしれないんですけどユズハトルネードは明らかに大阪公演より東京公演の方がキレがあった気がします。ユズハ役の浅井七海さん自身このユズハトルネードにはこだわりを持っていることを話されていたんですが、生放送とかでファンの側もユズハトルネードをいじり出したことでちょっと変に意識しちゃってたのかな?と思いましたね。まぁひだまりPの印象でしかないので、もしかしたらそんなに違いはなかったのかもしれませんが。

 

M10 わが校の流儀

お ま た せ 。

 

 両校が関西の学校であることが分かる数少ないシーンがこの関西私学連盟のくだり。

 

『ま↑た始まった~!(関西弁)』
『こ↑の二人は学生↓時代からのラ↑イバル!(関西弁)』

〽学校を継ぐ似た境遇
 でも友情芽生えるわけじゃない
 学生時代バレーボール部では
 お互いエース!
 対戦成績3勝3敗
 勉強ならばと全国模試は
 一位と二位を取り合い続け
 ライバル確定!(デデドン!)

 「お互いエース!」のとこでマドカ理事長とキョウカ理事長がムスッとしたまま控えめにバレーボールのポーズしてくれるところ好き。

 

 一応ここで滝桜女学院と椿咲花女子高等学校が理事長同士対立していることが明確に分かるようになってるんですが、ラブライブ!のお約束である「廃校の危機」に椿咲花が瀕していることもここで分かりますね。アンサンブルの皆さんの演技力も光る光るキセキヒカル。

 もしこれがアニメだったらこのシーンはこんな風に楽しげなシーンとしては描かれなかったと思うので、ある意味では「ミュージカル」という形態の一番良いところがここで出たのかもしれないですね。

 

マド:「軽さ 派手さと人気だけの三流学校!」

キョ:「偏差値重視の古臭い化石学校!」

両方:『あなたにだけは言われたくない!!』

 ここマドカの煽り文句は「軽さ」ではないかも。聞き取れませんでした。

→「派手さ」でした。

 

M11 それぞれの役割

 パワハラのシーン。

 ミスズが家庭の事情により経済的に困窮しており、キョウカ理事長はそんな彼女に学費を免除する代わりにアンズのサポートをする役割を一任していたことが分かります。

 「皆にチャンスを下さい」と訴えるミスズに対して、「それは──皆の意見?それとも、あなたの意見?」と一言で空気を変えるキョウカ理事長の圧力が凄かったですね。

 ミスズも部長として皆をサポートする一方で自分自身を抑圧している所があったことが分かり、それが最後のシーンでのキャラの変貌に繋がっているということは分かりますが、正直このシーン自体は取り立てて印象に残っている所はないですかね。

 

 そしてキョウカ理事長とミスズの会話を聞いていたアンズは滝桜を辞めて他校で勉強に専念することを決意します。まぁ高校生ってそんな保護者の了承も無しに自由に転校したりできるんだろうかって気もしなくはないですが、以後そこにはツッコまないものとします。体験入学だったんでしょ(スクスタ並の後付け)

 

M12 平凡な未来

(歌:椿咲花女子高等学校メンバー)

平凡な生活の中では想像もできない世界
舞台から見る景色はどんななのかな?
さっきの私達みたいに
キラキラさせていた目は
ステージからだとどんな風に
見えるのかな

今の私たちには想像もできない
全てが眩しすぎる 夢のような時間
もしもあんなステージに立てたなら
こんな私たちでも輝けるのかな

このまま勉強ばかりの毎日で
私達の未来は
ママが望む未来は
どんな景色を見せてくれるんだろう
くれるんだろう

 

 こういうのいいなぁ。アイドルの眩しさに「憧れ」の気持ちを抱くというのは他作品のラブライブ!でもあったんですけど、「スクールアイドル」という存在ありきで「私もやってみたいな」という憧れではなく、本当に芸能人と同じ「アイドル」に対してのある種雲の上の存在みたいな相手に対するこういう想いってラブライブ!の中では結構新鮮ですよね。

 そして──

 

M13 噂の転校生

「その制服…その顔…」

「あなたもしかして滝桜女学院の滝沢アンズちゃん!?!?」

 

 お前桜内(梨子)みてぇだな!?

 アンズが転校してきたのはルリカ達のいる椿咲花女子高等学校。転校してきた理由は椿咲花が関西で一番の進学校であることと、アンズのおばあちゃんの家が神戸から近いからでした。

 アンズが転校してきたこともさながら、椿咲花に編入できる学力の持ち主であったことにも驚く一同。そんなアンズを見てルリカはアイドルと学業を両立できることにさらに意欲を燃やすわけですが、なんかここは進研ゼミの漫画みたいでしたね。

 

 アイドルをやめて勉強に打ち込むために椿咲花に転校したアンズと、そんなアンズに影響を受けてアイドルへの決意を固めるルリカ。そして二人の変貌に戸惑いながらアンジャッシュみたいなコントを繰り広げる両校の理事長と、舞台がめくるめく変わっていくのがこの辺はすごく面白かったです。反抗期のルリカとケンカしていた所から一転して電話に出る時に声がオクターブ高くなるマドカ理事長とか、ディテールも細かくネタが入っていて良かったですね。

 

「アンズって…あなたの所のチャラッチャラしたアイドル部のエース?」

「チャラチャラって…あなチャ失礼ね!」

 まるでコントみたいだぁ(恍惚)

 

これから活動ど・う・す・る・の!

ど・う・す・る・の!

 これはアンサンブルメンバーによる歌のパートですね。椿咲花のメンバーはルリカ達しか出ないわけじゃなく、この作品では「モブ」という立ち位置にある他の子達もアンズの事は知っていたり密かに憧れている子もちゃんといて、そんな「普通の子たち」の中の一人だったルリカ達がどんどん「向こう側」の存在に近くなっていくことを象徴するように、後編でもアンサンブルメンバーによる歌のパートが入ります。

 

 

M14 発足!椿咲花アイドル部

部長!(鶴の一声)

あなたを…栄えある椿咲花アイドル部の初代部長に任命します!

 

 アンズを誘ってアイドル部を立ち上げようとするルリカ達と、アイドルはもうやめたからと拒否するアンズ。お前桜内みてぇだな!?(二回目)まぁでもこの部活がイヤで転校した先の学校でちょうどそれが立ち上がって勧誘されてしまう展開ってスポーツ漫画とかの超お約束ですよね。ガルパンとかもそうだし。

 

 借金取り立て人のごとく大挙して押し寄せる滝桜のキョウカ理事長とアイドル部メンバーに対し困惑する椿咲花メンバー。そんな混乱の中で空気を読んだマドカ理事長が鶴の一声でアイドル部設立を承認し、ワチャワチャ感のある中で前半パートは終了します。

 

後編(2022/3/21更新!)

 続きはこちら↓から。

【後編】(一部歌詞有)スクールアイドルミュージカル計4公演に行ってきた感想&レポート~それがスクールアイドルなんだ!~ - ひだまりPはこう語った