「サルバトーレ!君は捨てようというのか。
我らが女王陛下と、この祖国イスパニアを!」「すまない、アレハンドロ……友よ。
私は征かなければならないんだ、あの大海原へ。」
ちゅんハロ!ひだまりPです。今回は2024年8月8日にNintendo SwitchおよびSteamで発売された「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の新作ビジュアルノベルゲーム『舞台奏像劇 遥かなるエルドラド』をプレイしてきましたのでレポートしていきたいと思います!
スタァライト、されちゃったかな?
もくじです。
少女☆歌劇 レヴュースタァライト 舞台奏像劇 遥かなるエルドラド
概要
聖翔音楽学園 最後の夏――
第101回の聖翔祭「スタァライト」を控えた私たち99期生は、
夏の公演で日本が誇る大海洋ロマン《遙かなるエルドラド》に挑むことになりました。亡命提督の子、サルバトーレ・グーリエ。
イスパニア貴族の嫡男、アレハンドロ・ハビエル・キャバレロ・クルス。
物語を導く《2人の主人公》……『私たち』は誰を選ぶのか。大海原に挑む99期生の……『次の舞台』の幕があがります。
少女☆歌劇 レヴュースタァライト 舞台奏像劇 遙かなるエルドラド
ということで本作は、《遥かなるエルドラド》という演目をテーマにオーディションで選ばれた役をどう演じるかで壁にぶつかるA組「俳優育成科」と、誰を主役に選び、どのように舞台を創り上げるかを葛藤するB組「舞台創造科」のそれぞれの視点で進んでいくビジュアルノベルゲームとなっています。
プレイヤーである「あなた」は、舞台少女たちのオーディション(※本来の意味)を見て舞台の主演である「サルバトーレ」と「アレハンドロ」役に誰を選ぶか、複数の候補から選ぶことができます。逆に言うと、この選択以外にはプレイヤーとしての介入要素はなく選んだ選択肢によってストーリーが進行し、それぞれの形の《遥かなるエルドラド》が上演される形で物語は結末を迎えます。
言うまでもなく《遥かなるエルドラド》という演目は「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の作中でも登場しており、聖翔音楽学園からも何名かの舞台少女が進路として希望している『新国立第一歌劇団』の十八番演目でみんなの憧れの舞台とされています。一方で、親友サルバトーレと共に夢を追いかけることを目指したアレハンドロが裏切りに遭い、全てを失ってしまうという筋書きは、舞台少女・愛城華恋と幼い頃に約束を交わし、舞台の上で再開を果たしたにも関わらず何も告げず勝手にイギリスへ転校してしまったバカバカ、バッ神楽ひかりとの関係性を暗喩するメタファーとしても機能していましたね。
本作の位置付けはその「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の後日談であり、劇場版で「レヴュー・スタァライト」を演じきって空っぽになった愛城華恋が立つ「次の舞台」こそがこの《遥かなるエルドラド》になります。もちろん、華恋以外の舞台少女にとっても《遥かなるエルドラド》は特別な舞台であり、それぞれがこの舞台に掛ける想いや役を演じる自分自身との共通点などを見出し、それを舞台で表現する姿が描かれます。
劇場版のエンディングでは、舞台少女達の卒業後の進路も描かれていましたが、それらの進路に繋がる話もゲーム中で明らかにされていきます。
ということで、本作は完全なるファンゲームであり「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」のTVアニメおよび劇場版を履修していることが実質前提となっています。「知らなくても楽しめる」とはちょっと言いがたいですね。見といたほうがいいですよ、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト(と劇場版)」は・・・!
逆に言うとシリーズのファンにとってはあの大好評を博した劇場版の実質的な続編でもあり、舞台少女達、そして舞台創造科の信念や舞台を通して描かれる新たな関係性の掘り下げ、小ネタ満載の日常シーンなどもあって大満足の内容に仕上がっています。ストーリーは短めで各ルート2時間もかからない程度ではあるものの、基本価格3,980円ということを考えれば妥当なボリュームだと思われます。
最大の問題点
今作はパッケージ版、ダウンロード版の通常版以外にファンアイテムの特典が付いた「スタァライトEDITION」、「超スタァライトEDITION」というバージョンが発売されています。そして「スタァライトEDITION」以上の特典として、「遥かなるエルドラド 雨宮詩音の決定稿」という冊子が付属しています。
原作読んだら全然笑えないシーンだった。 pic.twitter.com/hGSaxsYV67
— ひだまりP (@Hidamarie_win) 2024年8月8日
今作をプレイする前に、この「決定稿」を一読しておくことを強くオススメします。決定稿はその名の通り《遥かなるエルドラド》の完全版であり、ゲーム中の本編ではやむなくカットされているストーリーの背景についてより深堀りされた描写が書かれています。例えばカルメンシータがサルバトーレに寄せる恋心と裏切られ自死を選ぶまでの絶望、サルバトーレとネグレッティ提督の因縁、パブロとの幼少期、アレハンドロの純真さと無知さ、そしてイサベル王女を巡るサルバトーレとアレハンドロの戦いの結末などなど…ゲーム中でもサラリとは触れられますが、大元になる決定稿を読んでいるといないとで、彼女たちが演じる物語の解像度がまるで違ってきます。
実際にはゲームを全てクリアした後に「決定稿」を基にした完全版を自由な配役で楽しめるフリープレイ的なモードが解禁されるので、冊子を持っている必要はなく、また読んでいなくともゲームはちゃんと楽しめるとは思います。しかしながら、そこにたどり着くまでにおおむね4回ゲーム中で《遥かなるエルドラド》の物語を追うことになるので、その際に上のような詳しい背景を知っているかどうかはかなり重要だと個人的には思います。
で、問題点というのは、このゲーム通常版が3,980円に対してその「雨宮詩音の決定稿」が付いてくる「スタァライトEDITION」は14,980円、「超スタァライトEDITION」は39,800円もするという点ですね。こういうキャラゲーの類で特典を豪華にした別バージョンが売られることは全く珍しくはないのですが、「決定稿」の事前予習がゲーム体験にかなり影響されることを考えるとちょっとずるい…ずるフィカールじゃない?とは思いましたね。
ひだまりPが購入した「スタァライトEDITION」は、この「決定稿」と昨年行われたリアルイベント「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE- Reading Theatre 第四弾 遙かなるエルドラド Blu-ray」が収録されています。なので決定稿の冊子だけでプラス11,000円というわけではないんですが、冊子の必要性に気づいてしまうとちょっと高けぇー!と、正気に戻っちゃいますね。やっぱこういうののオマケは愚にもつかないようなものをお祭り価格で売るに限る。
そんなわけで「決定稿」の事前予習がオススメではあるんですが、それをするとゲーム本体の価格が11,000円プラスになってしまうのがこのゲーム最大の問題点ですね。あとスタァライトEDITIONは今のところAmazonでは在庫切れでした。
ジュディ・ナイトレーについて
やっぱ大場くんの…スコーンを…最高やな!
本作のストーリーは聖翔音楽学園と、イギリスの王立演劇学院との交流プログラムがメインになっています。王立演劇学院と言えば彼女が日本にやって来るのかと思いきや、華恋に合わせる顔がないひかカスの代わりに現れたのはジュディ・ナイトレー。王立演劇学院の首席であり、TVアニメ版ではティアラを賭けたオーディションで憐れなひかカスを倒しスタァの座を勝ち取ったジュディその人です。
そのジュディですが既にプロの舞台女優として活躍しており、稽古の段階からその圧倒的な演技力とキラめきを見せつけて聖翔の舞台少女達を燃え上がらせる一方、オフでは友好的でお茶目な面も見せ、更に舞台のスタッフ同士の通訳を買って出るなど舞台の内外で非の打ち所がないその様は天堂真矢をして惜しみない賛辞を述べるほどでした。
ジュディ自身の圧倒的な演技力はもちろん、共演者までも引き立たせてしまう圧倒的なカリスマを前に舞台少女達も自信を喪失しかけたり、ライバル心を燃やすこともありましたが皆最終的には「敵はジュディ・ナイトレーにあらず」と己の舞台にかける想いを再認識するきっかけとなります。
また声優の飛龍つかささんは元宝塚歌劇団で男役を務めていた方でもあり、重厚感のある低音ボイスと圧巻の演技は必見です。
オーディションで登場したときの印象とは裏腹に、一貫して非常に好感を抱かせるキャラクターとして描写されていますね。
※これよりネタバレ注意
ここからストーリー本編のレビューを行うにあたりゲームの内容のネタバレを多分に含んでいます。未プレイの方はこれ以降の閲覧時ご注意下さい。
星見サルバトーレ&愛城アレハンドロ
サルバトーレ役に星見純那、アレハンドロ役に愛城華恋を選ぶルート。劇場版の冒頭シーンでもこの2人でなぜ行ってしまうのだ友よのシーンをやっていたので、多くの人は最初にこの2人のルートを見るんじゃないでしょうか。
これは台本を見た時にも思ったんですけど、劇場版では舞台を一度降りて大学進学を目指すことにした純那が「今は天堂さんや西條さんには敵わないもの。でも《今は》よ。」ってこぼした事にばなながブチ切れて「今は今はと言い訳重ね 生き恥晒した醜い果実──」つって切腹させられかけたんですよ。
あの「(言葉)狩りのレヴュー」に繋がった純那の失言(※別に失言ではなくななが勝手にキレただけ)ですが、「でも《今は》」というフレーズがエルドラドの受け売りだったことを知ってばなながキレるのちょっと分かりましたね。責任割合2:8から4:6くらいに増えた。あのシーンでこいつも新国立志望組と一緒にエルドラドの台詞引用してはしゃいでドヤってたの!?それはまぁ……切腹かも。
奏像のレヴュー
バミるって何!?バーミヤンでメシ食うこと!?タピるみたいなこと!?
「バミる」とは、演劇や映画、テレビ番組の制作現場などで使用される業界用語で、「バミリ」という言葉から派生しています。「バミリ」とは、舞台やセットの床に、出演者や機材が正確な位置に配置されるように目印を付けることを指します。この目印を「バミリテープ」などと呼ばれることもあります。
具体的には、俳優が立つ位置やカメラが置かれる場所、機材の移動経路などを示すために、床にテープを貼って印をつけます。このように、場所や位置を目印として固定する行為を「バミる」と言います。
(GPT-4o回答)
勉強になるなる。
(ハウリング)
奏像のレヴュー、めちゃめちゃ良かったですね。「支えてくれる裏方がいるからこそ舞台は成り立っている」というのはよくあるテーマですが、そういうことじゃなくて彼女たちも舞台に情熱を燃やし、舞台に生きる舞台少女だというのを真っ向からブン投げられて、ガツンと万年筆で殴られたような衝撃でした。
そして今回の《遥かなるエルドラド》に重ねて、その主演を演じる舞台少女、そして舞台創造科にも全てに共通するテーマとして「復讐」があるんですけど、雨宮・眞井をはじめとする舞台創造科が『復讐』する相手は、愛城華恋が書き換えた第100回聖翔祭の《スタァライト》だったんですね。
TVアニメ最終話で愛城華恋が書き換えた結末の続き。もう一度塔に登り、真実に到達したフローラ。雨宮詩音がたどり着けなかったスタァライト。
いやこれ、読んでた時「そうだよなぁ…」ってあまりにも腑に落ちたっていうか腑に落ち過ぎて腑ローラが塔から落ちちゃった。
確かに思ってましたよね、アニメ12話観た時、「よくその大変更通したな」って。華恋の案で脚本書き直して主演のオーディションもやり直しになったって凄いなって思いつつまあそこはアニメだしなって勝手に納得しちゃってたんですけど、そうじゃなくて華恋の辿り着いた新しい《スタァライト》の脚本が本当に素晴らしかったから、舞台創造科も全部をイチからやり直すことを決意してくれていたんですね。
そしてそれは勿論、《スタァライト》の脚本に心血を注いでいた雨宮にとっては屈辱以外の何者でもなかったことも事実で。だからその第100回聖翔祭《スタァライト》を超える脚本を何としても書き上げようとする雨宮の姿が劇場版スタァライトで描写されていたんですね。
「私たちは身軽なんだ」
「遠くまで走れる軽い靴」
「ポケットには小さなメモとペン」
「ひとまずそれさえあればいい」
このフレーズもすごく好き。ED曲にも使われていますね。
「復讐」と言えば、純那&華恋ルートの純那もまた華恋への復讐心を燃やしてこの舞台に立とうとしているんですよね。それは勿論、あのティアラを掛けたオーディションで華恋に飛び入りとリベンジで往復ビンタされたあの事件。
根に持っててウケる。
一方の愛城華恋は──
ひかり「空っぽになった舞台少女がいたんですよ~!」
ジュディ「なぁ~~~にィ~~~~!?」
ひかカスさぁ………
ひかりお前華恋のことジュディに「空っぽ」って紹介してるの!?どの面下げてだよマジでマジでそういうとこだぞ。お前マジで…競演のレヴューもっかいやっとく?
ハァンとしていちゃダメよお嬢さん
花柳サルバトーレ&天堂アレハンドロ
負 け ま へ ん
アニメ第6話のラストシーン、聖翔音楽学園に戻ってきた香子からのお菓子箱を明けた真矢が期待に満ちた顔のまま固まっていたのはレヴュースタァライトでも屈指の名シーンとして知られていますが、あのシーンだけの一発ギャグではなく割と真面目に根に持っていた天堂真矢はこの《遥かなるエルドラド》の舞台で香子への復讐を誓います。
………いや、マジでそうなんだって。香子は普通に真矢へのリベンジです。
この2人のルートはやはり、天堂真矢といえばダークヒーロー・サルバトーレ役という周囲の印象とは裏腹に本人がアレハンドロ役でオーディションに参加したことが印象的でしたね。クロディーヌをして「嫉妬と執着でドロドロのサルバトーレの方が天堂真矢っぽい」と言わせる彼女でしたが、その志望理由を聞くと「貴族の御曹司であり生まれながらに何でも持っていたアレハンドロが、親友に裏切られ全てを失い自分が築き上げてきたものは実は何でもないただの人間だったと気付かされる」ことがアレハンドロを演じる醍醐味だと話しています。
それはあの時、『魂のレヴュー』でちんちん亭の魂を受け継いだクロディーヌ(※劇場版感想記事参照)に「誇りも驕りも嫉妬も憧れもパンパンに詰め込んだ欲深いただの人間」だと突きつけられたことが「周囲の期待する役」ではなく「舞台少女・天堂真矢が演じたい役」を選んだきっかけになったと察することができます。
全てのルートでそうなんですが、《遥かなるエルドラド》が劇場版スタァライトに出てきたのは間違いなく愛城華恋と神楽ひかりの関係性のメタファーとしての役割がまずあると思うんですけど本作ではそれぞれの舞台少女が《遥かなるエルドラド》に向き合った結果として自分自身と登場人物の共通点であったり、自分だからこそできるアレハンドロ・サルバトーレを見つけ出すまでがそれぞれの形で描かれていて物語とのリンクの作り方がマジでもの凄いなぁって思いましたよね。
ここいいですよね香子のことも何でもお見通しみたいな物言いする真矢に「嫌な女って言われへん?」と言われるんですけど真矢は「いいえ?」とこともなげに答えるんですよね。この「いいえ?」がすっとぼけているのか、あるいはマジの天然なのか?それとも栄光を掴むのか?どっちなのだ!?(ちんちん亭クロディーヌ)
香子・真矢ルートはお互いに「追われる立場にいる人間」という共通点を持ち、そして卒業後はもしかすると同じ舞台にはもう立つことがないかもしれない2人の間にある友情ともまた違った確執のようなものがあって、主演2人の関係性という点では一番惹かれるものがありましたね。
西條サルバトーレ&石動アレハンドロ
双葉&クロディーヌルートは双葉がクロに復讐(リベンジ)を誓う舞台として、そしてクロディーヌもそれを受けて立ちます。双葉に新国立を進路として勧めたのは他ならぬクロディーヌであり、そのせいで怨みのレヴューのときちょっと巻き込まれたりもしてましたね。
子役として他の舞台少女よりも長いキャリアを持ち、双葉ともウマが合っていたクロディーヌは同級生でありながらどこか先生のような立場でもあり、練習中にズルフィカール役のジュディが乱入してくるシーンでも狼狽えずアドリブをアドリブで返すなど流石の立ち回りを見せていました。
が。
「……僕はどこかで憐れんでいたのか。君を庇護し、夢に導くつもりが……全て奪われ、踏み台にされて……滑稽だな。僕は初めから立っていなかったんだな、サルバトーレ……君と同じ舞台には。」
聖翔音楽学園でやれることを全てやり切り、双葉という教え子を導いて、もう私の役目は終わったとフランスへ凱旋しようとしていたクロディーヌ。危なかったな。もうちょっとでまたななの私たち死んでるよ警報出されてたぞ。まぁそれは冗談ですけど、舞台少女は日々進化中。囚われて変わらないものは、やがて朽ち果て死んでゆくのです。
いつの間にか辿り着いた頂に背を向けて歩きだしていた双葉に置いていかれそうになっていることに気がついたクロディーヌは老獪で全てを知るサルバトーレの「役そのもの」を捨てることを選び、双葉のアレハンドロと役の交代を申し出ます。
……ひだまりPがこの展開予測できなかったのは、キャバレロ卿の穴兄弟っているじゃないですか。サルバトーレとミゲルのことなんですけど、これまでの2篇ではキャバレロ号の船乗りコンビが純那&ななと香子&双葉だったんですよね。今回のミゲル役は真矢なのでじゃあやっぱりクロちゃんがサルバトーレなんやなと勝手にメタ読みしてました。まぁ、それはともかく。
やはりこれも現状に満足せず舞台の上で成長し続けることを選んだクロディーヌと、純真で愚かだったアレハンドロの役がリンクしているのが凄いですね。
「(火をくべられ、息を吹き返したのね、西條クロディーヌ。私も舞台で生きているからわかる。私たちは舞台の空気を吸うことでしか、生きていけない。でも時に、呼吸していることを忘れる。舞台に立つことが日常に……当たり前になってしまう時がある。でも……ここは舞台。当たり前であることが赦されない世界。)」
ジュディくんも良い考察してんじゃん。何かスポーツとかやってたの?
かくして双葉がクロディーヌへ復讐する舞台は、クロディーヌが双葉へ復讐し返す舞台へ。逆怨みのレヴューじゃん……いや双葉と香子のときも普通に逆恨みだっただろ。
露崎サルバトーレ&大場アレハンドロ
またやっとる。
まひる&ななルートは最初には選ぶことができず、いずれかの他の可能性を見た後に「あったかもしれない可能性」として選ぶことができるようになります。
最初はオーディションでななに一度も勝てていないまひるがななに対する復讐を宣言し、ななもそれを受けて立つというまぁ他ルートでもあった関係性だったんですけど…急にフワちゃんみたいなこと言い出しちゃった。
ひだまりPスタリラはうろ覚えっていうか一時期しかやってないんですけどスタリラのストーリーでもまひるがななに全力でやらないなら舞台から降りてよって迫るシーンなかったでしたっけ。すいませんあの、ふ、はぐ…(『朗らか』?)ほがらかじゃねーーーーーよ!!!!
ここまひるの故郷である北海道の海なんですけど、上のセリフのあとでななを抱えて日本海に叩き落とすんですよね。これこそ復讐でしょ…(皆殺しのレヴュー)まぁちょっとライン超え感なくはないですね。
(モンハンかな?)
まひるに海へ放り投げられて東京の聖翔音楽学園まで帰ってきたなながまだ水を滴らせてるのはどう考えてもおかしいと思ったんですけど、まあ泳いで帰ってきた可能性もあるからね。
そして───
ななが選んだのは舞台に立つ役者として、そして舞台の創り手としての二刀流でした。奏像のレヴュー乱入してて笑っちゃった。
そんな彼女が提示した新しい可能性、それが「本当は全て知っていたアレハンドロ」。お前やないか!まぁそうなんですけど、確かにこれはななにしかできない舞台ですね。
そして──
じ ゅ ん じ ゅ ん
寝取られてるじゃねーか!いや、このシーンはどっちかと言うと純那をまひるに寝取られてるんじゃなくてまひるを純那に寝取られてるんですけど。
これは超ぶっちゃけトークなんですけど、あくまでななの目指したアレハンドロの方向性はダメなタイプの原作改変だとは思うんですね。それはそれ、これはこれなので。勿論話の焦点はそこではなく、ななが舞台役者としても、そして創り手としても自分のやりたいこと、演じたい舞台を一切我慢せずに貫き通すという変化が大事なので正直原作レイプじゃんって思ったのは目を瞑りましょう。
ひかカスも本物の舞台女優だった!とか舐めた事言ってましたね。舞台に本気でなかったななの背中を…背中を押すというか放り投げ、自分が輝くだけでなく共演者も明るく照らす。まひるの目指す太陽のようなほがらかな舞台女優にまた一歩近づきました。
エピローグ
ひかカスさぁ………
競演のレヴューでまひるに嫌われてるのバレた時も一切同情できなかったんですけど、そもそも聖翔に来る前にも誰にも何も告げずにドロンしてたことバレちゃいましたね。お前マジであと1年くらい運命のレヴューに囚われとけばよかったのに。
でもここいる?
最後にオールスターでひかカスの舞台に乱入するシーンで終わるんですけど、文脈的には華恋だけでよかったような気はしますね。まぁまぁ、おさらいって事で。
フリープレイ
真エンドを見ることで、全ての配役(ズルフィカールは固定)を自由に決定して鑑賞することができるモードが解禁されます。最初の方でもちょっと触れましたが、これは「詩音の決定稿」を元にしておりストーリーで演じたものよりも登場人物の描写がより細かくなっているので自分好みの配役でぜひ一度通して読んでみてください。
出来れば…我が儘で欲張りな観客なんですけど、それならサルバトーレが飛ぶシーンは全員分のカットインが欲しかったですね。
まとめ
スタァライトされちゃいました……
と言うことで少し長くなりましたが、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト 舞台奏像劇 遥かなるエルドラド」プレイレポートでした!
冒頭でも紹介した通りゲームとしての要素はほぼないノベルゲームであり、また完全なファン向けのゲームということではありましたがストーリーの内容的にはファンなら間違いなく大満足できるもので、アニメ版と劇場版を踏まえた舞台少女達の関係性と物語、そして何より舞台創造科の矜持。それらを含む劇場版の後日談としての皆の未来についての事をまた知ることができて素晴らしい作品でした。
少女☆歌劇 レヴュースタァライト。眩しいの、まだ──あの舞台が。
それでは、ここまで読んで頂いてありがとうございました!それでは、よき大海原を!
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劇場版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の感想記事についてもこちらから読めますのでぜひどうぞ!