ひだまりPはこう語った

ちゅんちゅん、ハローラブライブ!「人生をラブライブ!にする」をモットーにあれこれ語ります。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会4thアルバム「L! L! L! (Love the Life We Live)」をレビュー!

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SCP-8900-EX

青い、青い空

 

諸君、我々は失敗した。

 

SCP-8900-EX (えすしーぴーはちきゅうぜろぜろいーえっくす)とは【ピクシブ百科事典】

 

 …ちゅんちゅん、ハローラブライブ!どうもひだまりPです。今回はちょっと遅くなりましたが、2021年10月13日に発売された虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の4thアルバム、「L! L! L!(Love the Life We Live)」をレビューしていきたいと思います。

 

 それでは、続きを読むからどうぞ!

 

 

 

もくじです。

 

 

 

★L! L! L! (Love the Life We Live) 

 

校内フィルムフェスティバル

 

 今回収録されているソロ楽曲はスクスタのキズナエピソードより、「校内フィルムフェスティバル」というイベントで同好会メンバーがそれぞれ別の部のお手伝いに行く中でプロモーション活動のために各部の作品をイメージした新曲を作るというお話が元になっています。そのため、今までのメンバー色を前面に出した楽曲よりもテーマ性が色濃く出た曲ばかりが並んでいますね。

 ちなみにどのメンバーがどの部のお手伝いに行くかは過去のファン投票によって決められました。

お願い!スクールアイドル同好会!ニジガク部活動投票 -スペシャルドラマ連動企画!- | ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS(スクスタ)

 

 ということでソロ楽曲についてはそれぞれのキズナエピソードも踏まえて紹介していきたいと思いますが、まずは表題曲の「L! L! L! (Love the Life We Live)」について。

 

 

01. L! L! L! (Love the Life We Live)

 打ちにくいタイトルだな。

 そもそもこれ、あぐぽん兄貴のタイトル読みまでひだまりP知らなかったんですけど最後「ウィー・ライブ」じゃなくて「ウィー・リブ」なんですよね。「僕らのLIVE 君とのLIFE」の先入観があったのでずっとライブだと思ってました。

 Live(ライブ)だと「生きている」という形容詞になりますが、Live(リブ)は「住む、生きる」という意味の動詞になります。そうすると、「We Live(私達は生きる)」「Love the Life(人生を愛する)」という言葉が組み合わさっているのかな?と思えますが、もしそうならば「Live」はやはりライブの方で形容詞として付いている方が自然に感じられる気がします。

 ちょっとだけ下世話な勘繰りになりますが、3rdアルバム表題曲である「Just Believe!!!」→(「今こそ信じて!」?)は三船栞子が同好会に加入してできた曲ですが、スクスタメインストーリーではこのすぐ直後、信じた瞬間に栞子は同好会を裏切って部の手先となってしまいます。もしそうならば、今のところそういう動きはありませんが次の3rdシーズンでは「We Live(私達は生きる)」の逆、すなわち再演の果てに「スクールアイドルの”死”」を視た三船栞子が、両手に日本刀を引っ提げて同好会メンバーを皆殺しに来るという展開も予想できなくはないところです。

 

 だろ。(逆でもない)

 

 話を戻しましょう。まぁともかく、「Live」をあえて「リブ」と読ませていることからも、この曲はスクールアイドルの「ライブ」(※”ライブ”は和製英語ですが)に焦点を当てた曲ではなく、それよりも彼女たちの「日常」によりフォーカスした曲である、ということが読み取れますね。

 

 ということでそんな「L! L! L! (Love the Life We Live)」ですが、12人というラブライブ!史でも空前の大所帯(言うてSaint Aqours Snowが11人ですけど)での曲

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 …これはミも柑もないぶっちゃけトークなんですけど、9人でよくない?ノイズが多すぎるんだよなあ…

 はっきり言って曲はね、曲が良いってことは十二分に分かってるんですよ。ラブライブ!の曲のクオリティをひだまりP疑ったことはないので。ただやっぱり…チーズアレルギーがある人間はチーズバーガー食べれないのよ。チーズ抜きで作ってくれって頼むしか無い。そういう状態です。

 

 

02. Break The System(上原歩夢)

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 歩夢がお手伝いするのは「SF研究部」。映画の内容は火星を舞台にしたタイムリープ系のSFです。ぶっちゃけ火星要素以外はま○か☆マギ●です。ちょぼらうにょぽみ先生の息吹感じるんでしたよね…?

 

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 って中須かす男じゃねーか!お前は同好会がランジュに乗っ取られてた時何してたんですかね…

 

 そんな感じでこの「Break The System」は普段の歩夢のイメージとは一線を画し、運命に抗い続ける映画の芯の強さが歌われています。キズナエピソードではそんな主人公の気持ちに近づくために、「あなたちゃん」を連れ出して「ワガママ」に付き合って貰うお話が描かれましたね。

 

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 曲自体の感想ですけど、かなり王道のアニソンテイストに仕上がっていますよね。まあ劇中ではSF映画のプロモーション曲として作られたという経緯にあるので当然そうなるんですが、かなりコテコテのアニソン感。正直これだけならば、ひだまりPの琴線に触れることはあまり無かったかもしれません。ひだまりPはどっちかと言うともっとアイドルアイドルした路線の曲が好きだしね。

 ただこの王道のアニソンを地のままの歩夢が歌っているというこのギャップ感は正直結構好き。曲とフレーズのカッコよさに対して歩夢の声がフワフワ浮いて流れてくるこの感じはちょっと電波を感じさせます。そういうこの曲で電波さと「火星」をテーマにしたSF映画の設定、そして「SF映画の主題歌」”らしい”曲を歌うという「ベタ」…そう、振り返ってみればこの曲は、まだ真っ更だった頃の上原歩夢にちょぼらうにょぽみ先生が仕込んだ”芽”が──言うまでもなくそれは、ファミ通App4コマの事なんですが、あの一つの”異常性”が上原歩夢と共に成長し続けた結果としてこの「SF主題歌としてのメタさ」「素のままの上原歩夢」の背反する要素を矛盾なく両立させているのではないでしょうか。

 

 

03. TO BE YOURSELF(中須かすみ)

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 かすみがお手伝いするのは「魔法少女研究部」。映画の方向性の話し合いが中々まとまらずにいる中、かすみはどんな方向でも自分なりの「かわいさ」を引き出そうと努力するお話でしたね。

 「TO BE YOURSELF」の意味は「自分らしくいること」。この曲、さっきのBreak The Systemのようにアニソン的なカッコよさがあるのですが映画の内容と言うよりも、そこからかすみんの得た矜持のようなものにフォーカスした歌となっています。

 まぁ確かにそこはそうですし、言うまでもなくそれはいつものかすみんでしょ…と思うんですが、そうならそうで中々思い切った舵取りをした曲ですよね。「ダイアモンド」や「☆ワンダーランド☆」のようなポップさから外れ、敢えてのカッコよさを追求した曲という所に「魔法少女」という、「強さ」と「可愛さ」を兼ね揃えた存在とかすみんの化学反応が感じられるのは良い所ですね。

 そう考えると「その微笑みが起こす奇跡」というサビの入りのフレーズが味わい深い。「無敵級*ビリーバー」のような曲と比較するとより立体的になりますね。

 

 

04. エイエ戦サー(桜坂しずく)

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やりやがった。

 

 しずくちゃんがお手伝いするのは「演劇部」。まあ、そりゃそうだ。幕末を舞台に”怪異”との戦いを繰り広げる浪士達のリーダーを演じることになりました。それサクラ大戦じゃない

 まずタイトルの「エイエ戦サー」って何だよ。確かに戦(いくさ)だからエイエイサーって読めなくもないですけどね。実はこれだけじゃなくて歌詞見ると「ホ戦サー!」って合いの手もあって、この二段構えでひだまりPはやられました。

 「和」のテイスト自体はしずくちゃんとしては珍しいわけではないのですが、ここまで”役”に入り込んだ曲はかなり斬新ですよね。劇中劇のキャラソンじゃん…魔女っ娘ミラクるんじゃん。

 これは曲そのものの電波さも相当気に入ってるんですが、パフォーマンスと相まってかなり化ける曲だと思うのでその意味では4thライブが非常に楽しみですね。

 それにしても「きっとね、これが私たちの運命だから──」というのは分かりやすいんですが、2番の「お願いよ、過去だけには囚われないで──」というフレーズ、ちょっと意味深ですよね。過去だけには…過去だけには…

 

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「お願いよ、過去だけには囚われないで──」

 

 

05. Turn it Up!(朝香果林)

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久保田○夢「私もやるんですか……?」

 

 果林がお手伝いに行ったのは「映画研究部」。映画の内容は高校生の5人の女の子達がバンドを組む青春ストーリーで…けいおん!じゃない!?ねぇ!!!けいおん!じゃない!!?!?触発された果林が○ックスの練習を始めるシーンが印象的でしたね。

 正直この曲はシンプルにひだまりPかなり好きです。今回の全シングルの中で3番目に入るくらい好き。こんな青春バンドアニメのOPみたいなのさぁ…ひだまりPが好きにならないわけないじゃないですか。

 ということでポップでノリノリなアニソンばかり聴いてきたひだまりPにぶっ刺さりだったのは勿論のこと、「33RPMで刻むよHeartbeat」とか「7inchドーナツ盤で十分伝わる」とかアナログレコードを曲のモチーフにしているのがまた良いですよね。レトロだから良いというんじゃなくて、この曲のノリ感にレコードというアイテムがすごくマッチしている。「また針を落としてみてほしい」ってね。「針を落とす」なんて表現プリンセスプリンセスくらいしか使わないでしょ。

 

 あとこの曲アニソンっぽいって言うかポケモンっぽいよね。っていうかバトルフロンティアだよね…そう考えると「AサイドBサイド」と「いっさいがっさい」という韻の踏み方にすごいポケモンっぽいセンスを感じてしまう。

 

 

06. Diabolic mulier(宮下愛)

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愛さんがお手伝いするのは「アナログゲーム研究部」。映画の内容はとある吸血姫の悲愛に端を発する和風伝奇ホラーです。

 

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優しかった子が、次に会ったときにはすごい狂暴な性格に…?

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ラブアンドピースが崩れていく様……?

 

 それって………スクスタ2nd seasonじゃない………?


 ということで、そんなランジ…吸血姫の想いに寄り添って愛さんが詞を書いたこの「Diabolic Mulier」は、これまでのポップでキャッチーな愛さんの楽曲とは一線を画するゴシックホラー系の楽曲になっています。「Diabolic」は英語で「悪魔的な」、そして「Mulier」はラテン語の「女性」。因みにラテン語だと「ムリエル」と発音するみたいですが、曲としてどう発音するのかは不明です。

 確かに愛さんのイメージから離れてはいるんですが、例えば「悲しいほどらりるらりるらりるらりるらる…」の繰り返しの語呂の良さとか、ちゃんと愛さんが作曲したらしき爪痕が残っているのは評価できる所ですよね。

 そして愛さんはインテリなのでちょっと見では解釈に困る歌詞もありますね。例えばこれ。

" Ah easy tuning, so attached to you

 固唾は睡蓮非ず"

 「easy tuning」=「簡単な調律」「attached to you」=「あなたに執着している」、この曲のテーマは「悲愛」ですから、すなわちこれは”あなた"に執着するが故に、私自身を変化させる(化ける?)というニュアンスでしょうか。

 「固唾は睡蓮非ず」、「固唾」は緊張している時に口内にたまる唾のこと、「睡蓮」の花は「信仰」「清純な心」という花言葉を持った神聖な花として知られています。「睡蓮非ず」と言っているのですから、「清純でない」ということになりますね。

 そうするとヒロインが「”吸血”姫」であったことを考えると、恋をした相手の前に、清純な少女の外見で近づくことは容易いが、その相手を想う故に生まれる欲望(=血を吸いたいという欲?)は、清純とはほど遠いという事が言われているのではないでしょうか。緊張して固”唾”を飲むことと、獣欲の涎を対比してるんですね。

 

 あと謎フレーズとして”蛹は既にイドラ”というフレーズが出てきますね。シンプルに「イドラ」って何だよ。ということで、Wikipedia先生の引用から。

 

イドラidola、ラテン語イドルム idolum の複数形)とは、人間の先入的謬見(偏見先入観、誤りなど)を帰納法を用いて説いたもの[1][2][注釈 1]16世紀から17世紀にかけてのイギリス哲学者フランシス・ベーコン1561年-1626年)によって指摘されたもので、「偶像」「幻影」などと訳される[1][2]。ラテン語で偶像を意味し、英語の「アイドル」の語源でもある[2][注釈 2]

イドラ - Wikipedia

 

 そして「」。はい出ましたと言ったらそう、AZALEAです。「ちはやぶる」と来たら「神」が来るように、「アゼリアの」と言ったら「蛹」ですからね。

 AZALEA論によると、「蛹」という言葉は恋が花開く前段階の抑圧を象徴していることが多いですね。だからこれは、吸血姫ちゃんに魅入られた相手の、吸血姫ちゃんに対して抱き始めた恋心、それが既に偶像だと言っているんじゃないでしょうか。

 

 それでまぁ…「万物流転が問いであることが”愚か”であるってさ 瞼の蓋閉じて囁いてあげる」というのは…そうですね、アレですよ。もんじゃ作るのが下手くそでグチャグチャになっちゃうお客さんを見かねた愛さんが「アタシがやったげる!」つってヘラ奪い取って面倒見てあげるもんじゃみやしたの光景ですね。ひだまりPももんじゃ食べに行きたいですね。よきラブライブを!

 

 

07. Silent Blaze(近江彼方)

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 彼方ちゃんがお手伝いする部は「漫画研究部」。映画のヒロインはくノ一の女の子ですが、敵に捕まり感度を3000倍にされてしまいます。そこで彼方ちゃんもくノ一の研究をし、忍者の修行をしてみたり忍者の行動食を作ってみたり果ては「くノ一忍法”乳時雨”」を習得しながら、映画のプロモーションソングを作り出すお話でしたね。

 これも普段の彼方ちゃんのイメージとは異なる曲で、それもそのはずキズナエピソード内で「今回は彼方ちゃんのイメージじゃなくて、映画のヒロインであるくノ一のイメージと向き合ってみたい」というやり取りがありましたね。

 ということで出来たこの曲、そう思ってみても「くノ一」かと言われるとそういう感じではないですね。まぁそっちに寄せるとエイエ戦サーと被っちゃうから…むしろこれ鬼○の刃モチーフにしてない?まあそれは冗談ですけど、彼方ちゃんのイメージではないけど鬼頭明里さんのイメージには普通にマッチしていますね。

 あと彼方ちゃんの色が出てないと言われるとそうでもない。「彼方まで広がる」とかの「彼方」はまあ歌詞にはよく出てくる単語なので偶然の一致ということもありますが、2番の出だしで彼方ちゃんのサイリウムカラーである「すみれ色」というフレーズが出てくるのは確定的ですね。

 ………でもやっぱこれ○滅の刃を意識してない?

 

 

08. ヤダ!(優木せつ菜)

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 はい”やった”。マジでやりやがった。そんな乳でかい妹がいるかよ。

 せつ菜がお手伝いする部は「ライトノベル研究部」。映画の内容はお姉ちゃんが大好きでワガママな妹を中心としたドタバタコメディです。そのプロモーション曲を任されたせつ菜は、この作品の根幹とも言うべき「萌え」を研究するためにかすみの元を訪れます。…葉月花さんも歌ってましたね。「萌え要素ってなんですか?」って。まぁそれはどうでも良くて。

 何この、この電波ソングは。これまでもせつ菜の曲は平均してひだまりPの中では評価高めでしたが、今回はそれと180°逆方向に舵を切ってきたにも関わらずこのクオリティ。

 虹ヶ咲で電波ソングと言えば、むろんせつ菜も所属しているA・ZU・NAの十八番と言えるでしょう。「Kakushiaji!」そして「Happy Nyan! Days」という珠玉の電波ソングをA・ZU・NAは虹ヶ咲にもたらしました。メンヘラの歩夢変態のしずくサブカルのせつ菜という3人組はまさに電波ソングを生み出し続けるために生まれた奇跡のラブトランアングルだと、ひだまりPも信じて疑っていませんでした。

 

 せつ菜一人で作っちゃった

 まあ…「MELODY」も他の全員曲を差し置いてせつ菜単独で「μ'sの背中に手が届いた曲」と呼ばれていましたからね。(Aqoursで言う「冒険Type A,B,C!!」)この女のマジのポテンシャルを発揮すればA・ZU・NAも、虹ヶ咲学園という囲いも吹き飛ばす最強クラスのスクールアイドルとして君臨できるという事自体は疑っていませんでしたが。それにしてもだよ。こう来たかと。

 もうこのサビの「ヤダ!ヤダ!」の連呼がズルいよね。こんなの「わーおわーお!」って言ってるようなもんじゃん。「わーおわーお!」は中毒者が続出するから今後一切やらないと、あのPrintempsですら終生その誓いを守り通したのに何さらっと解禁してるんですか?まぁせつ菜はちょっと世間知らずな所もあるから仕方ないですけどね。

 そして最後に「好きなんだ I love you!」つって締めるのも、もうね。原義のツンデレじゃん。なんで「萌え」を説明できないとか言ってたのにそんな原点の萌えを歌詞に入れられるんだよお前アレか?アレか。

 

 「天才」か。

 

 

09. いつだってfor you!(エマ・ヴェルデ)

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 エマちゃんが手伝うのは「アニメーション研究部」。作品のテーマは異世界で働くメイドさん。そのプロモーション曲を依頼されたエマは、メイドの気持ちを理解するために「あなた」のメイドに…?

 

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sneg?(それなんてエロゲ?)

 

 つい古代のインターネット用語を使ってしまった。それくらいエマのキズナエピソードはぶっちぎりでIQが低い

 さてこの「いつだって for you!」ですが…これは結論から言ってしまうと、まぁ「電波ソング」に分類しても良いと思います。こういう底抜けの明るさでよく分からないことを歌ってるのは全部電波ソングで良い。そもそもね、エマというか指出毬亜さんのあの声質で電波ソングを歌わないというのはあまりにも損失がデカ過ぎる。だからこういう電波ソングをどんどん歌ってもらいたいんです。

 あとこのサビ終わりの「Sweet sweetie love!」ってとこあるじゃないですか。ここ、画竜点睛。ここでグッと締まっている。これはね、ゼロ年代覇権の電波ソングと言われた「She See Love」を彷彿とさせるじゃないですか。「She See Love」もメイドさんをテーマにした電波ソングなので、これはおそらくエマちゃん側がリスペクトして作ってますね。言われてみれば「Kakushiaji!」も「メイドさんロックンロール」っぽかったし、そういう文化の継承がもしかしたらあるのかもしれません。(ない)

 この「She See Love」も皆さんに聴いてほしいんですが生憎ニッチ過ぎてサブスクとかにも無いので…と思っていたら「メイドさんしぃしー」のゲームのホームページでショートバージョンのmp3を配布していました。何言ってんの。2022年だぞ。

 

※18禁ゲームのHPです。18歳未満の方はクリックしないで下さい
[ Le.Chocolat ] - メイドさんしぃしー

 

 ぶっちゃけ検索すればフルバージョンがあったりなかったりもしますがそこはひだまりPのブログには貼れないのでまぁ各自自己責任で。

 

 

10. First Love Again(天王寺璃奈)

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 璃奈ちゃんがお手伝いするのは「ゲーム部」。記憶が1日しか持たない幼馴染との交流を描いた物語に感銘を受けた璃奈ちゃんは、作曲にチャレンジしたいと考えます。

 物語の中では「恋の話」とは名言されてはいませんが、璃奈ちゃんなりに解釈した結果がこの「何度でも初恋をしよう」というテーマなんですね。曲調そのものは今までのポップな璃奈ちゃんの方向性とは違っていますが、一方で誰かと気持ちを通わせること」をテーマにずっと歌ってきた璃奈ちゃんが、「1日で記憶がリセットされてしまう」というこの物語の設定と、それでも明るく前向きに毎日を生きていく主人公の強さに触れたそのインスピレーションをこの「明日は明日のキミにまた出会いたい」という形で落とし込むことができたのは、それ自体はずっと変わらない璃奈ちゃんの「芯」という感じがしますね。

 そこは素晴らしく評価できる点なんですが、ひだまりPにはちょっとこの…あくまでキズナエピソードでの言及に限られますが、「1日ごとに記憶がリセットされる」という大きな障害を前にとにかく前向きに明るく振る舞うその生き方が素晴らしいというところにフォーカスされていて、それは良いことには変わりないんですけど、物語的には絶っっっ対にそこから「何か」が起こるじゃないですか。ひだまりPはそういう「崩壊の予兆としての平和」が一番苦手なんですね。こういう物語は、現状に無批判であればあるほど崩壊の仕方がえげつなくなっていくので、心がざわざわするんですよね。だからこのスチルのおままごとのシーンとかも嫌です。読まなくてもいい崩壊パートを読んじゃうから。

 そんなこんな。

 

 

11. コンセントレイト!(三船栞子)

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予想も裏切った女

 

 栞子ちゃんがお手伝いするのは「監視委員会」。スクールアイドル同好会にライブの許可を出さず、無断で練習やライブをしているのを見かけたら制止に向かいます。栞子ちゃんの役はそんな監視委員会のリーダーです。最後は同好会メンバーのクーデターにより処刑台に上げられ、優木せつ菜によって介錯されました。

 そんな栞子ちゃんのソロ曲「コンセントレイト!」ですけど、まぁ…こんなのどうせ…どうせ…?

 

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「人にはサ終の星あれど

 裏切り監視はもう飽きた!

 アニメで藻掻いて 出番を奪う

 虹ヶ咲学園生徒会長 三船栞子!

 殺してみせろよ 中川菜々!!!」 

 

 「やりやがった」………なんでこんな名曲が生まれているんだ。お前は何者だ…お前は何者だ!お前は何者だ!!!

 ということでこの「コンセントレイト!」ですが…はい。はっきり言って虹ヶ咲の歴史でも5本の指に入るド名曲、どストライクでした。

 まずなんでこんなポップでキャッチーなドタバタ学園コメディ色の強い曲が出来たんだ…ほとんど奇跡としか言い様がない。それでいてこれ、「良い曲」をたまたま栞子が貰ったんじゃなくて、歌詞をちゃんと紐解いていくとしっかり栞子にしか歌えない曲になっているというのが凄いですね。勿論「AB型」とかパーソナリティだけの話じゃなくて、例えば「ショパンが弾けたならダイジョウブ」と言われて、(全く弾けないのに)「練習しようかな」とは一応思う生真面目さとか、あとは「教科書には載ってない でも大切な夢を描いてる」というフレーズのちょっと古くさいのにどこか新鮮さすらある”青春”の感じ方とか、そういう使命とか義務感から解放された栞子ちゃんの溌剌とした楽しさが垣間見える所がこの曲を光らせているんですよね。

 あと「コンセントレイト!」ってタイトルも「らしい」ですよね。「コンセントレイト」は「集中」って意味なんですけど、スクスタ2ndシーズンのせいで栞子も集中攻撃を浴びて…じゃなくて。毎日のキラキラを余さず全部感じるためだったり、もちろん学問のことでもあったり、それら全てに「集中」して向き合うという姿勢は、栞子のいいところでもあります。

 

 「優柔不断な乙女心のポートレート ぼやけたまんまでシェアしてみんなで笑っちゃおう!」とかもうね、めっちゃ”良い”じゃん…ここのノスタルジー感溢れる歌い方もまたグッと来るんですけど、このほんとに「青春」をまるごとギュッと絞りましたみたいな、混じりっけ無しの感じが胸を打つんですよね。

 例えばこの曲をね、せつ菜とかかすみが歌うと。2人でも表現できそうな気はするじゃないですか。でもやっぱりせつ菜やかすみが歌うと「物語のヒロイン」になっちゃうんですよ。「ヒロインばかり出てきちゃうけど」の「ヒロイン」になっちゃう。「コンセントレイト!」を等身大で歌えるのはやっぱり栞子でなくっちゃいけない。「みんなの中のひとり」になれないとこの青春の「なんでもなさ」を表現しきれないんですよ。栞子はまさにそれに「なろうとしている」んですから、だからこそこの曲の一番良いところを一番引き出すことができた。

 

 虹ヶ咲学園を代表するキラーチューンが爆誕してしまった。

 

 

★ひだまりPランキング

 波乱過ぎるだろ。

 ということでひだまりPのニジガク4thアルバムダービー手堅く人気のあるしずく、愛、せつ菜を刺してまさかのコンセントレイト1着という、空前の大穴に騒然となりました。栞子-せつ菜-果林の3連単当てられた奴いないだろ。配当が2,000倍くらい付いてそうですね…

 

 

★まとめ

 

トゥデイズ チカキンズ ポイント。

 

ドゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル………

 

 

 

 

 

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83点(エイティスリー)!!!

 

\イェー!!/ \フゥー!!/ \3.1415926535897.../

 

 

 スクスタ2ndシーズンのPTSDに苦しむ多くの人々に愛の手を。

 さて今回は校内フィルムフェスティバルをテーマにしたストーリーとの連動で、皆それぞれ普段のイメージとは違った曲を見せてくれました。この試み自体はとても良いと思いますね。結果として普段ひだまりPの評価が低くなりがちな果林先輩の意外な得意ジャンルが発掘されたり、せつ菜の電波ソングが爆誕したり、逆に普段の評価の高い層は若干噛み合わなかったりと色んな評価になりましたが、色々な方向性を模索していくのはこれからも継続して欲しいと思います。エマの「いつだって for you!」だけ普段の方向性と近い感じなのは、3rdで「哀温ノ詩」というちょっと攻めた曲を出して来たからですかね。

 そして何と言っても無から生まれた最強のキラーチューン「コンセントレイト!」の存在がデカ過ぎました。ひだまりPもやっぱり…まだ眩しい…

 

 あ~ぁ、泣いちゃった。

 

 

 それでは、よきラブライブを!

 

 

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