ひだまりPはこう語った

ちゅんちゅん、ハローラブライブ!「人生をラブライブ!にする」をモットーにあれこれ語ります。

【ネタバレ注意】劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト感想-そしてどうぞ、またのお越しをお待ちしてます。

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劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト

 

☆☆☆更新履歴☆☆☆

2021.06.09 2回目視聴を踏まえて大幅に加筆。

 

 ちゅんちゅん、ハローラブライブ!どうもひだまりPです。今回は2021年6月4日(金)に公開された映画「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を鑑賞して来ましたので、感想を書いていきたいと思います!

 

 実はこの作品については今までブログで書いた事は無かったんですが、ひだまりPがずっとやっていた「スクスタ」が昨年10月末にサービス終了した際、ちょうど直後のタイミングでこの作品のソシャゲがラブライブ!のAqoursとコラボするイベントがあったんですね。ひだまりPはその時にレヴュースタァライトのソシャゲ「スタリラ」をプレイし始め、それをきっかけにアニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を観るに至りました。

 まぁ「スタリラ」はスクスタに勝るとも劣らないクソゲーだったわけなんですが、このレヴュースタァライトのアニメについては本当に素晴らしい出来で、このレヴュースタァライトをひだまりPに教える為にスクスタは存在していたんだと確信しました。

 

 アニメとして面白いのはもちろん、音楽はラブライブ!でおなじみ藤澤慶昌氏、ラブライブ!サンシャイン!!でおなじみ加藤達也氏の両名がタッグを組んでいるという、まさにラブライバーには刺さらないはずがない陣営ですよね。

 

 そんな本作、昨年「ロンド・ロンド・ロンド」という総集編劇場版を上映し、満を持して今年完全新作劇場版である今回の劇場版が公開となりました。

 アニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」についてはdアニメストア他配信サイト等で今からでも観ることができますので、未視聴の方はぜひ観てくださいね。

 

 それでは、今回の劇場版の感想に移りたいと思います。

 

 

※注意!

 以下の内容は「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の重大なネタバレを含みます。未視聴の方は閲覧をご遠慮下さい。

 

 視聴済みの方は下からどうぞ!

 

 

 

 

もくじです。

 

 

 

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MOVIX京都にて朝一番で鑑賞しました。

 

 パンフレットも無事購入。パンフレットですが絶対買った方がいいです。パンフレットの内容については詳細は伏せますが各メンバーの口上が載ってるだけでなく作中に出てきた超重要なアレに対してそれぞれのアレが書かれてるんですよ。しかも皆自分がアレのつもりで、更に言えば最後のアレがそれぞれ違うアレっていうのが素晴らしい演出。それだけでも「本編の続き」というレベルで価値があるのに、作曲班や古川監督、脚本家インタビューがこれまた充実していて、劇場版の内容に対する補足とか解説みたいなくだりもあるので内容への理解度が上がりまくりです。

  

 

劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト

 

★ワイルドスクリーンバロック

 さて、今作には「ワイルドスクリーンバロック」というフレーズが繰り返し登場します。キービジュアルにも描かれていますし、本編中でも主にキリンが発言していますね。本作中では"wi(l)d-screen baroque"と表記されます。

 語源となったのはSFのジャンルである「ワイドスクリーン・バロック」だと思われますが、これはwikipediaによれば

 

時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄
— ブライアン・W・オールディス、『十億年の宴』p.305より 浅倉久志訳

ワイドスクリーン・バロック - Wikipedia

 

 なるほど。

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わからん。

 

 本編中のキリンがワイルドスクリーンバロックについてひかりに説明を求められて、「我がままで欲張りな観客のための舞台」と言っていましたね。「我がままで欲張りな観客」というのは取りも直さず我々、つまり視聴者のことなんですが、「視聴者が観たがっている”舞台”を脈絡なく演じ続ける」という本作のテーマは原義のワイドスクリーン・バロックに通じるところがありそうです。

 そもそも今作中に登場するワードは「ワイド」ではなく「ワイルドスクリーンバロック」です。これは冒頭の神楽ひかりの口上に、「歌い、踊り、奪い合う。それが野生の本能ならば」というフレーズが登場するので、シンプルに「野生」のワイルドと、「ワイドスクリーン・バロック」を掛けていると思われます。

 今作中で繰り広げられる”レヴュー”は、”オーディション”ではありません。彼女たち舞台少女が、舞台の上で己の感情と情熱を爆発させるためだけの純粋な”レヴュー”です。それをひかりは「野生の本能」と形容し、また他の舞台少女達もそれぞれに感情を剥き出しにして舞台にぶつけていました。なるほど。単なる「もじり」ではなく本当にピッタリですね、「ワイルドスクリーンバロック」。

 

 

★冒頭

 卒業を間近に控えた聖翔音楽学院99期生。彼女達が後輩を指導する立場になったことが分かるシーンと平行して、「進路相談」という形で物語はスタートします。

 いや…これは自分でもびっくりしたんですけどひだまりPもうここで泣いてしまった。なんだろう、あの過酷なオーディションで「永遠の主役」という空虚な玉座を目指して時には助け合い、時には剣を交えてがむしゃらに戦ってきた「舞台少女」である彼女達が、今学園という閉じた世界を出て、自分自身の未来へ向かって羽ばたこうとしているその姿にちょっとだけ感極まってしまった。でも…

 …喋りすぎだよね。

 この後の展開を観たらもはやそういうひだまりPの感傷、涙すら手玉に取られているな、と。そう思わずにはいられませんでした。

 

 真矢・まひる・双葉は劇団へ入団希望純那は大学の文学部に進学、香子は千華流を継ぐために京都へクロディーヌはフランスへ。ななは真矢達と同じ劇団ですが、演劇の道を進むか、舞台を創る道へ進むか、まだ迷っているようでした。これは超余談ですけど香子の実家の流派って「千華流」だったよね?と思ってググッたらエロ同人誌がヒットして笑っちゃいましたね。どうでもいいですが。

 皆がそれぞれの進路を決める中、ただ一人取り残されていたのが華恋です。彼女が進むべき道を失ってしまった理由、それは神楽ひかりの自主退学にありました。アニメでは「運命のレヴュー」に囚われてしまったひかりを華恋が救い出し、共に戯曲「スタァライト」の結末を変えた所で終わっていましたが、どういうわけかその後、結局ひかりは学校を去ったようでした。

 聖翔の中でも精彩を欠いていた華恋が覚醒し、あのオーディションで獅子奮迅の活躍を見せたのはひかりと一緒にスタァになるという約束が原動力でした。その目標を失い、またしても彼女は道を見失ってしまったようです。

 

 今日は真矢達が入団を希望する劇団…何劇団だっけ?帝国歌劇団でしたっけ。劇団名は忘れたんですが、そこへ見学へ行くということで、皆ウキウキで電車に乗り込みます。しかし──

 

 そこはもう舞台の上でした。

 

 いや、「無限列車編じゃん…」って思ってしまったのは流石に仕方ないですよね。蜜柑休題、事態が飲み込めず呆然とする6人の前に表れたのは大場ななその人でした。

 

★皆殺しのレヴュー

 Revue song: wi(l)d-screen baroque

 

 イントロに合わせてばななが足トントンしてるの可愛くないですか?

 とりあえず感想なんですけど、いやマジでね、こういうの。こういうのめっちゃ好き。この作品の良い所を最大限に活用したシーンだ。

 この作品の「レヴュー」ってフィジカル勝負じゃないんですよ。精神の戦いなんです。これはパンフレットの古川監督の言葉を読んで首がキリンになるくらい頷いてたんですが、「レヴュースタァライトはデカい声で強い言葉を発したやつが相手を納得させているので勝ち。ヤンキー漫画と構造が同じ。」って仰ってたんですよね。超わかる。「ヤンキー漫画」って聞いた瞬間に腑に落ちすぎてクレールになった。ん?あれ、塔から落ちたのはフローラか。まぁ良いんですけど、マジでそれなんですよ。ヤンキー漫画。

 で話を戻しますけど、表れたななが6人を文字通り「皆殺し」にするんですけど、「1人対6人でななが勝つ」ということもこの「レヴュー」においては全く不自然ではないんですよね。ここは舞台の上であり、最も強いキラめきを放った舞台少女のために舞台装置が動くのですから。…ん?ちょっと待って!?

 

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天堂真矢は負けてない!!!

 

 これ初稿だと6人を皆殺ししたって書いたんですけど2回目視聴した時に真矢だけ前掛け落とされてないって気づいて完全に上の画像になっちゃった。えっ、じゃあななは皆殺しできてないのにポジションゼロしたの!?まぁこれはオーディションじゃないって言ってましたけどね。取り敢えず話戻しましょう。

 

  しかしそれでいて、刀一本でも6人相手に圧倒していたのに、後から遅れてもう一本を引き抜く所とかマジでカッコ良すぎてしびれちゃう…引き抜くっていうか飛んできてたし。あと、このシーンではななの刀の「鞘」がひだまりPの記憶では初登場してるんですね。アニメでは確か剥き身抜き身で持ってた気がします。「抜き身」ね。最初剥き身って書いてたんですけど、カニ大好き舞台少女みたいになってた。蜜柑休題、これもまた、オーディションでの再演が途切れて、勝ち続けるという運命から開放されたななが一度は納めた刀を舞台に立つために再び抜く、という構図になっていて熱いですね。

 

 で、6人は天堂真矢以外の5人はあっさりななに敗北してしまうんですけど、それはなぜかと言うと「”今ここにある”舞台に立てていないから」。

 「私たちは舞台に生かされている」とはアニメでのクロちゃんの発言ですが、一転してこの冒頭では学校を巣立って次の場所へと向かうその高揚感なのか、アニメでは孤高の圧倒的強者として描かれていた天堂真矢でさえも、なんだかフワフワと浮ついた雰囲気になっていました。ように見えたんですけど、真矢だけ負けてないのでなな的には真矢はギリセーフだったみたいですね。

 

 

 「私の台詞を、無視するなぁ!」と言ったのはクロディーヌですが、「台詞」という言葉からも分かるように彼女もやはり、「舞台の上に立っている」ということを自覚しているのが分かります。まぁ、これはななに「ちょっと喋りすぎ。」と言われてキルされてたんですけど。対照的に、舞台に立てていなかったのが純那です。

 

「なんだか、強いお酒を飲んだみたい…。」
「なな…?」
「なんだか、強いお酒を飲んだみたい。」
「………」
「だからぁ~…なんだか、強いお酒を飲んだみたい。」

強いお酒………?

 

 

 まさか聖翔音楽学院に伝わる伝説のイッキコールをここで持ってくるとは思いませんでした。体育会系っぽいな。まぁ、それはさておき。

 ななは「なんだか、強いお酒を飲んだみたい。」という台詞を計3回言うんですが、それに対して純那は「何言ってるの?私たち未成年…」と驚きのマジレスを返した結果血しぶきを噴き出して死んでしまいます

 いや、血しぶきは舞台装置なんですが、「舞台少女のキラめきに呼応して動作する」舞台装置が彼女たちを血みどろにしたということは、つまりは舞台の上で「死んだ」と見做された、ということですね。舞台の上にいるのに、余計な台詞を「喋りすぎ」て、「役を演じる」ことができなかった舞台少女としては「死んでいる」のと同じだと。

 じゃあ純那はなんて返せば良かったんだよ。飲んだのに~まだ眩しいの!じゃあななの再演いってみよー!はいロンド・ロンド・ロンド!ロンド・ロンド・ロンド!~」だったのかなぁ。絶対違うだろ。「いってみ」の辺りで結局血しぶきが飛んできそう。関係ないけど「少女☆寸劇 オールスタァライト」というショートアニメの中ではフロンティア芸術学校がそういうパリピ的な位置づけとして、イッキコールをするシーンが描かれていましたね。これは本当に余談も余談なんですが。話題をワイルドスクリーンバロックするな

 

 話戻しますけど、「舞台少女の死」というフレーズはロンド・ロンド・ロンドのラストでも示唆されていましたが、なるほど、という感じでしたね。

 「電車は必ず次の駅へ。では舞台は?あなたたちは?」というフレーズも随所に登場しますが、電車がレールの上を走り続けるように舞台少女もまた、生きている限り舞台の上なんですよね。ちがうかも。いや、それもあるんですけど。ラストの華恋とひかりのレヴューを見てからもう一度ここに戻るとまた別の可能性が浮上しますよね。つまり、「彼女達は我々(視聴者)に見せる舞台を演じている」。だからこそ、たとえ日常パートであろうが彼女達にとっては「レヴュースタァライト」という舞台の一幕になるわけですよ。こうして考えると、ななが度々言っていた「喋りすぎ。」という言葉にも納得がいきますね。

 

 ここまで来ると、ひだまりPがさっき流した涙の行きどころも無くなってしまいます。まるで何だその、「終わり」を迎えることに対するノスタルジーみたいな。さっき未来へ歩んでいく姿がなんかどうとか言ってひだまりP泣いてたじゃん。どうしてくれんのこれ?感情がぐちゃぐちゃになってんだよお前(なな)のせいでよぉなぁ!どう繋がっ…償うんだよなぁ!(舞台少女の死)

 

 

★第101回聖翔祭 決起集会

 彼女達の卒業公演でもある第101回聖翔祭、その決起集会のシーン。一応ここ、初見だと理解できてなかったんですがクロディーヌ達がなんか元気ないのを見るにさっきの皆殺しのレヴューよりも後の出来事だというのが分かりますね。

 

 

 クロディーヌが「どうして、あいつだけが…」ってぼやいてるのが確認できます。これは勿論、「どうして天堂真矢だけが(ばななに)殺されなかったのか」ということなんですが、「現状に満足せず、舞台に立ち続ける」という意思を真矢だけが持っていた、というのがこのシーンでも分かりますね。

 でもそれなら第101回聖翔祭、彼女たちの卒業公演はどうなるのか。第100回の主演を決めるオーディションで、あれだけ情熱を燃やして戦ったはずの彼女達は今やその先の未来ばかりを見て、すっかり腑抜けてしまっていました。或いはそれは、香子が指摘したように前回のオーディションで「主役になれなかったこと」を心のどこかで受け入れてしまっていたのかもしれません。 

 しかしこのシーンを見れば分かります。彼女たちのクラスメイトもまた、誰もが主役を見据えて努力を重ねていること。雨宮が身を削って第100回を超えるスタァライトの脚本を書き上げようとしていること。今の彼女たちでは、第101回公演を成功させることはおろか、あるいは主演の座からも降ろされてしまうかもしれない。

 脚本の内容からも分かる通り、第101回の「スタァライト」では女神たちがこれまで物語の象徴であった「塔」を降りるという物語になります。「囚われ変わらないものは、やがて朽ち果て死んでゆく」というセリフもあったように、これまでの成功を打ち壊して、新しい道へと進んでいくことがこの戯曲の、そしてこの映画自体の重大なテーマになっているんですね。

 だからこそ、腑抜けたライバル達を舞台の上で文字通り「皆殺し」にして、舞台少女としての皆を再燃させることが、今回の大場ななの役割だったんですね。

 

 そのことに気づいた7人は…純那だけはまだ、気づけていないようでしたが、ここでワイルドスクリーンバロックの舞台に立つ覚悟を決めました。

 

 

★怨みのレヴュー

 Revue song: わがままハイウェイ

 

 いやもう何これ。何なのこれ。やりたい放題じゃん。これ監督のインタビューでも「デコトラを出したかっただけ(笑)」とか言ってましたからね。でもそういうアレですよね、制作側が好き放題やりたいことをやっているのと、視聴者が見たがってるものがピッタリ合致するのが名作映画ですからね。

 っていうかここ、「双葉に劇団入りを勧めた」ってだけでクロディーヌがレヴューに引きずり込まれてるのに笑っちゃいましたね。クロちゃん、「ゼウスの仲裁」でもそういうポジでした。

 香子がやっていたのは丁半博打ですが、これはご存知の通りサイコロを2個振って出た目の合計が偶数(丁)か奇数(半)か当てるゲームです。で、双葉の口上にあった「さあ、どっちもどっちも!」というのは丁半博打における親が「どっちに賭けますか?」と張りを促す掛け声なんですが、お互いの口上で名乗りを入れた「年齢」が双葉は十八歳で「丁」、香子は十七歳で「半」と分かれているんですね。まぁ実際の丁半博打に17とか18という出目はないですが。これはだから香子と双葉、どっちが勝つか(どっちの言い分が正しいか)賭けてみろと立会人であるクロディーヌに言ってるんですね。

 レヴューの終盤で香子が言った、「ウチら、本当しょうもないな。」という台詞は、丁半博打の出目が壺を開けるまで誰にも分からないように、どっちの言い分が正しいかなんて誰にも分からないのにいつまでも喧嘩し続けていることを指して言ったのかもしれません。

 

 そして双葉がクラブみたいな所で香子に詰められるシーンは何度見てもキリン汁が出てしまう。

「本音…さらせや。うっとおしなったんやろ?──表出ろや。」

 この台詞を笑顔で言うのめっちゃ良かったですね。セクシーさの中に怖さが混ざってるのがゾクゾクする。こんなのただのファンサじゃん。いや、ただのファンサっていうのはある意味、この映画そのもののメタなんですけど。

 

 この二人はアニメでも「オーディションの私物化ですか…」と言われていたように本当にレヴューに名を借りたただのケンカで、理屈じゃないところが良いですね。「怨みのレヴュー」って言うけど普通の基準で考えたらこれぶっちぎりで香子の逆恨みじゃんって思うんですけど、本当にデカい声で強い言葉を発しながら刃物振り回してる方が正しい事を言ってるように見えてしまう。香子にガッツリ論破された双葉が「毎日駄菓子買って!寝かしつけて!送り迎えしてやったじゃん!!!」ってキレ散らかしてたのとか本当にもう「感情」って感じで好きでした。

 

「ずるいよ…香子ばっかり私を独り占めして。」

 もう一緒にはいけないと言いつつ、やっぱり香子から離れられない双葉。だからこそ香子の傍を離れることを香子自身に分かって欲しかったんですが、もっともらしい「理由」をいくら並べても香子の地雷を踏むばかりでした。

 最後は二人で清水の舞台から飛び降りですか…たいしたものですね。そして双葉が香子の前掛けを落とすことで舞台を去る香子、舞台に残る双葉の線引きがされるわけですが…なんだろ、観念して無防備になってる香子の顔がちょっとエロかったですね。まぁそれはどうでも良いんですけど、

 

 

★競演のレヴュー

 Revue song: MEDAL SUZDAL PANIC◎〇●

 

 いや、さっきからさぁ…この映画さ、あり得ないことに全部のレヴューシーンが突出して素晴らしいんですよね。「全部好きだけど、特にこれ!」じゃなくて…全部ヤバい。さっきの香子と双葉のレヴューやべぇよ…やべぇよ…って思ってたらまた次でもその次でも感情ぐっちゃぐちゃにされるんですよね…

 

 で、ロンドンに帰ったはずのひかりがワイルドスクリーンバロックに召喚されてのレヴュー。華恋を探して辿り着いたのはまひるの待つ競技場でした。

 モチーフはまさかのオリンピック。まひるの十八番でもあるバトントワリングでしたが、聖火に持ち替えて選手宣誓をするという演出はすごい良かったですね。「夢咲く舞台に輝け私!」という溌剌とした口上がすごく輝いている。「華恋ちゃんの輝きで照らしてくれないと何もできない!」と泣いていたあの日のレヴューから1年、成長したまひるちゃんは全力で舞台を楽しみ、後輩からも慕われる朗らかな舞台少女に成長していました。なんか…まるで娘を見ているような感慨を持ってしまいましたね。あぁそうか、娘を見ているような感覚を覚えてしまったからハードル走のとこでいきなり露出の多いエッチな格好になったシーンがなんか気まずかったんですね。あそこなんかこう…気まずくなかった?レヴューの最中にエロ要素いらないでしょ。最中にってなんだよ。

 

〽わーたし本当は大嫌いだった あなたがあなたがあなたがあなたがアナタガアナタガ……

 「舞台の上にいるのに、どうして演技しないの?」ここの豹変ほんとに、本当に好き。性癖かもしれない。おっとりした子のガチギレ本当に好き。

 「大嫌いだった。」ってぶっちゃけるのまぁ、そうよね。分かります。分かりすぎてキリンになった。そりゃそうだわ正直言ってひかりちゃん、まひるちゃんに嫌われてることについて全く同情の余地ないわ。いや華恋を巡る嫉妬ファイヤーとか二人の部屋にいきなり転がり込んできたとかそういう事もありますし、いやそれだけじゃないでしょ。だって第4話のクソみたいな家出とかマジで一個もひかりちゃん擁護できないでしょ。あれ結局華恋だけじゃなくて全員巻き込んでるけど多分ひかりちゃんあの件全く謝ってないよね。

 あと関係ないんですけどこれずっと言いたかったんだけど、第5話の嫉妬のレヴューの時華恋とまひるが戦ってる裏でひかり対クロディーヌが戦ってたじゃないですか。で、ひかりが押されながらも懸命に戦う姿を見て、華恋も「ひかりちゃんとの約束があるから私は負けられないの!」って覚醒するんですけどあれ、華恋はまぁ勝ったけどひかりちゃん絶対あの後負けてるよね。いやだって、あそこでひかり勝ちだったらクロディーヌは真矢・華恋と合わせて3敗してるのにななを差し置いてレヴューデュエットに残ってたことになるし、しかもレヴューデュエットの時クロディーヌは他の3人全員に直接対決で負けてるって事になるじゃないですか。まぁ負けるのはしょうがないとしても、この人天堂真矢に負けた華恋にビンタかました後香子もビックリのクソメンヘラ家出芸して、もう絶対負けないって華恋に約束させた直後にあっさり自分が負けてるわけでしょ。いや負けたと決まったわけじゃないけど。

 まぁそんな感じで約束タワーだか何だから知らないですけど華恋を散々振り回した挙げ句に結局またロンドンに逃げ帰って華恋を曇らせるという最悪も最悪のムーブ、全くもって殴られても文句言えないですね。改めて考えると本当にひどいな。

 

 まぁひだまりPも別に神楽ひかりをボロクソに言いたいわけじゃなくて、このまひるの「大嫌い」発言にこのレヴュースタァライトの良い所が表れてるんですよね。レヴュースタァライトの一番良い所、ジメジメしてない。これに尽きる。ひだまりPの偏見かもしれませんけど創作でも女社会と縦社会をミックスした世界が舞台だとどうしてもギスギス、ドロドロしがちじゃないですか。特に演劇界を描いた作品なんてのは病院モノと並んで最たる例なんですけどレヴュースタァライトは一切そういう陰湿さを感じさせないんですよね。 

  それは何故かって言ったらもう、これもまた「ヤンキー漫画」たるゆえんなんですけど、ヤンキー漫画だったらケンカになったら河川敷で殴り合いして仲直りしてるじゃないですか。レヴュースタァライトにおけるレヴューは、ヤンキーの河川敷のタイマンなんですよね、ぶっちゃけて言うと。いや、その理解はアニメの時からあったんですけど、「ヤンキー漫画」っていう古川監督のワンフレーズで一気に解像度が上がりましたね。

 だいたい、これはまぁ純那だったらまた血みどろにされちゃうマジレスなんですけどそもそも「レヴュー」とか言って真剣で斬り合いしてるの頭おかしいからね。だってさ、あんな首にかかってる前掛けの紐を切ろうとして、ちょっと手元が狂って顔ザクッて切っちゃったらキラめき云々関係なしに舞台少女生命断たれるでしょ。舞台少女の死(笑)とかいうレベルじゃないでしょ。でも実際にはみんな真剣にレヴューしてるじゃないですか。純那の弓矢とかあんなの一発でも刺さったらガチの「死」なんですけどいやいや弓矢はズルいじゃんとか文句言う子いないじゃないですか。そういう「真剣で斬り合いしてる」っていう野蛮さと、「前掛けを落とされたら終わり」というルールの紳士的さのアンバランスがやっぱりこう、ヤンキーのタイマンっぽいよね。

 

 だから今回ひかりが舞台の上で演じられなかったのは簡単で、まひるに怒られてることにひとつも反論の余地がないからなんですよ。他のレヴューはどちらにも言い分があるからちゃんと戦いになってるんですよね。ひかりはマジでここ立つ瀬がないので。レヴューはクソデカ感情を相手にぶつけた方が勝つということになっているので、ひかりに勝つ理由はありませんでした。でもガチギレまひるにビビりまくって普通にごめんなさいしてるひかりちゃんは可愛かったですね。

 

 そんでもって実際のレヴューシーン、まひる豹変からの流れは古川監督のインタビューで、「Jホラーをモチーフにしたけど、僕はホラーが苦手でJホラーを全然観てないのでよくわからなかった」みたいなミも柑も無いことを普通に書かれてましたね。確かにエレベーターのシーンとかがっつりホラー感ありました。

 

 いやそれでひかりちゃんの首に金メダルに見立てたボタンを掛けてあげるわけですよね、まひるちゃんは。いやもう最初から最後まで捨てる所がないすごい演出ですよ。ひかりちゃんのことを嫌いというぶっちゃけトークもかませつつ、それでもひとしきり怒ったら最後は応援して送り出してくれる、まひるちゃんの良い所がギュッと詰まった名シーンでもあると同時に、華恋に執着していたあの頃のまひるちゃんが吹っ切れて大人になったようで、それを見るのが少し寂しくもありましたね。「夜が明けてまひるになるよ」じゃん。

 ひかりちゃん、最後にまひるの「それ」が演技だと分かって…いや、大嫌いのくだりは演技にかこつけた本音だと思うんですけど(名推理)ともかく。「まひる、すっごく怖かった!本物の舞台女優だった!」とか舐め腐った事言ってるの笑っちゃいましたね。「本物の」って何だよ舞台女優じゃい。でもひかりはぶっちゃけ同室だったこともあってまひるの事は割と「甘えてもいい存在」と認識してたと思いますし、そういうお母さん的存在のガチな怖い一面を見て震え上がったと思ったら、演技だと分かってめちゃめちゃ安心してニコニコしてるのちょっと可愛いですね。

 

 

★狩りのレヴュー

 Revue song: ペン:力:刀

 

「あなたを捕らえるわ!この、狩りのレヴューで!」

「が~うw」

 「が~う」じゃねぇんだよなぁ…でもさっきのリズム足トントンとか、ななのキレながらも微妙にノリノリなとこひだまりPも好きですよ。

 

「どうして過去形なのよぉ…!」

「あ~ぁ、泣いちゃった。」

  いやここのななの純那に対する清々しいまでの煽りっぷり。アニメでもこの二人は仲が良かったですし、ななも華恋が純那を「じゅんじゅん」と呼んでることにキレるなど純那のことを特別視していたことが分かるんですが、そんな純那をレヴューで圧倒し、キラめき(宝石)を叩き壊し、挙げ句に止めは刺さずに介錯用の刀を足でぞんざいに差し出し「昔のあなたは輝いてたよ」というオーバーキルには痺れましたね。

 特にあの三方を足で突き出すシーンは5,000回くらい繰り返して観たいくらい好き。そもそも切腹とは武士が自身の不始末の責任を自らの命で償うことによってその人の名誉を守るための儀式であるのに、介錯人であるなながその自決用の刀を足で突き出すというのはまさしく「恥を晒して死ね」とでもいうべき最大級の侮辱ですからね。

 それでいてこれ、ななは「救済」のつもりでやってますからね。彼女の口上の中で「君、死にたもうことなかれ」というのがありますが、舞台の上で演じることもできない(=舞台少女の死)という恥を晒すくらいなら潔く自決しろと。 

 

 そして「あ~あ、泣いちゃった。」ですよ。軍服を着て切腹の作法を真似ていたのに、「泣いちゃった」の一言で今度は女の子のガチ喧嘩に変貌します。涙は女の武器だけど、女の子同士では通用しませんからね。これ誰が言ってたんだっけ…(あっ…搾精病棟だわ。最低の星見純那みたいになってしまった…)まぁ何でもいいや。

 

 「今はまだ西條さんや天堂さんには届かないけど、でも今は、よ。いつかきっと…」みたいな事を言ってたのでななの地雷を踏んだっぽい純那。いやでもこれ勢いに押されて純那がもう舞台少女として枯れてしまったみたいになってますけど、別に純那の選択が間違っているということではないですからね。

 少なくともななにとって眩しかったのは例え届かない星だとしても懸命にあがき続ける、愚かでかむしゃらだったかつての純那であり、今の「腑抜けた」純那を相当軽蔑していたようです。それは、「再演」を通して何度も繰り返しそういう純那の姿を側で観てきた大場ななその人だからこそかもしれません。

 でもちょっと待って欲しい。ななが再演してきた世界線は「選ばれなかった過去」なんですよ。ななが切り捨ててきた、ななだけが知っている何重もの世界線の純那の姿を引き合いに出して「私の純那ちゃんは死んでしまった」とか言われるの純那の立場からしてみたら理不尽極まりないでしょ。

 それでこれ、逆に純那もななの事知らないんですよ。さっきの皆殺しのレヴューでもななの豹変に一人棒立ちして、「こんななな知らない…」って言ってましたし。それはなぜって、ななの再演が途切れたこの世界線では純那とななはレヴューした事ないんですよね。アニメ9話でななが「今回は純那ちゃんとはまだ当たってなかったよね」みたいな事言ってましたし。

 つまりこの2人は表向きはこれまで3年間、「親友」として過ごしてきた関係性でありながら、実はななも純那もお互いのことを分かったつもりで全然分かってないんですね。最後の別れのシーンで「大場なな」「星見純那」とフルネームで呼び合ってるのはつまり、そういう二人の関係性を示唆してるんじゃないかと思います。

 

 たぶんななはあのオーディションで、今回の世界線以外では純那とレヴューする機会が幾度もあったはずですし(※下記参照)そのときの純那はななの言うようにハングリーに、愚かに、がむしゃらに、ななに対峙していたのでしょう。しかしながらななの「たとえ主役になれないと分かっていても愚かしく主役を目指して頑張る姿が美しかった」っていうのは、たとえ思っていても言っちゃいけないセリフなんですよ。そりゃそうだろ。だってななは純那を応援している裏で、この子はどうせ主役になんてなれないのにいつまでも諦めないで努力していて愚かで可愛いなぁ♡って思ってましたと言ってるようなもんじゃん。純那はもっと怒っていいシーンだ。

 ただこれ、裏を返すとななのこのセリフは「視聴者の代弁」なのかもしれません。代弁というか、皮肉というか。純那が真矢やクロディーヌのような才能に生まれながら恵まれていたわけでないことは、誰よりも本人が重々承知しています。そんな純那が努力で主役の座を掴もうとする姿に我々は共感を覚えますし、そんな彼女が好きなんだという人も多いでしょう。しかしその本質はななが言ったように、主役に”なれない”からこそ、”なれない”のに努力し続ける姿こそを応援していたとするならば、ななの言った事は取りも直さず、我々視聴者の本音ということになるかもしれません。

 

※ななと純那のレヴューについて
 今回の世界線ではオーディション1日目がひかりと純那でしたが、ななの再演ではこのカードは当然華恋vs純那(純那勝ち)のはず。そのまま2日目で純那とななが対戦する予定だったところ、オーディションから降ろされたはずの華恋が乱入したことによって2日目のカードが華恋vs純那に変更された
 そもそも1日目のひかりvs純那も華恋の乱入が無ければ純那勝ちで再演に影響は無かったはず。だからななの再演を捻じ曲げたのはひかりではなく華恋だった事になる。
 更に華恋が2日目で純那に勝利したことで、何が何でもトップスタァになりたがっていた純那は華恋の影響を受けて考え方を変えます。華恋も純那と打ち解けて「じゅんじゅん」と呼ぶように。これがななの嫌った純那の変化です。
 まぁこれはひだまりPの考察ですが。ななの再演してきたオーディションが予定調和だったもう一つの可能性として、7日目(絆のレヴュー)では華恋vsなな、純那vsまひる、ひかりvs双葉、香子vsクロディーヌが対戦して真矢は抜け番になっています。これも華恋の乱入が無ければ本来7日目は最終日で、ななが真矢を倒してオーディションに合格する「はずだった」のだと考えられます。 

 

 で、話を戻して泣いちゃった純那ちゃんがどうしたかと言うと、化けました。「人には運命(さだめ)の星あれど 届かぬ足りぬはもう飽きた」と。「誰かの言葉じゃダメ!」と、これまで偉人の言葉を引用することで自分の糧としてきた彼女が、「主役」への飽くなきまでの渇望を自分の言葉にすることで立ち上がるという所があまりにも熱い。そして「99代生徒会長、星見純那!殺してみせろよ大場なな!」って名乗りはもうアレよ、武士っていうか、暴走族のタイマンなのよ。っていうか生徒会長になってたのか。まぁなってるよね。お前以外誰が生徒会長やるんだよ。

 お前それでもって叩き壊された弓の宝石をななが自決のために差し出した短刀の柄に叩きつけて武器にして戦うってアツすぎるだろ。ワイルド過ぎるだろ。”ワイルド”スクリーンバロックじゃん…これにはななも「私の刀、返してよ!」ってなんか普通な怒り方をするんですが、これはちょっと面白かったですね。

 自決のために差し出された刀をまた敵に振りかざして戦うなんていうのは潔さとは対極にある、武士道で言えばまさに恥の上塗りであるのですが、「主役になれない自分」を「潔く」受け入れて舞台の上で死んでいくくらいなら、例え無様でも足掻いて「主役」を食いちぎってやるという、純那にしかわからない苦悩の果てに芽生えた彼女の舞台少女としての「野生の本能」が言葉通り圧倒的優位にいたななを食い破りました。それにしてもばなな、ひかりとのレヴューもそうだったけど、二刀流とか言う圧倒的有利属性があるのに舐めプして負けること多いよね。

 

「もう立ち上がらないでよ!届かない星の眩しさで、もう何も見えないくせに!私の純那ちゃんは、そんな役じゃない!!」

「あなたが用意した役なんていらない!あなたが用意した舞台なんて、全部斬り捨てる!目が眩んでいるのはあなたの方よ!今ここにいる私が!眩しい主役、星見──純那だ!!!」

 「純那だ!」の名演ほんっっっとアツいよね。ななが創った舞台を飛び越えていく。これ、アニメ9話で華恋がやった事でもあります。

 

 最後の純那の「泣いちゃった」返しがもう気が狂うほど気持ちええんじゃ。「ななってばこ~んな大きいのに♡怖がりで♡泣き虫で~♡こどもみたい♡♡♡」ってアニメ本編でも言ってましたしね、メスガキ純那ちゃん。

 さっきも書いたようにこのワイルドスクリーンバロックにおけるななの役割は、101回聖翔祭を前に腑抜けた純那達を叩き直すことなんですが、アニメでの彼女が何度もオーディションを勝ち抜いて第99回聖翔祭の「再演」を繰り返し続けていた理由は、「変わっていくことの苦しみ」から皆を守るためでした。そんなななが、いよいよ「卒業」を目の前にして今まさに巣立とうとする仲間達をどんな思いで眺めていたのか。ななの「再演」は途切れました。舞台少女として強さを見せることで皆を焚きつけることはできても、「変わっていくこと」を止めることはもうできません。そんな、ななの強さと弱さを両方知っている純那だからこその「泣いちゃった返し」なんですよね。女と女では涙は武器にならないけど、弱い涙を見せられるのもまた、友情なんですね。

 

 

★魂のレヴュー

 Revue song: 美しき人 或いは其れは

 

マジでヤバい。

 いや感情…感情がデカ過ぎるだろ。この映画だけで人間が一生に抱える感情の総量超えてくるでしょ。さっきからレヴューの度に感情のデーモンコアを遊び半分で核分裂させてるみたいな途方も無い感情をぶつけてくるのやめて欲しい。

 

 もう口上さぁ。何なの。クロディーヌなんなの

 

 ”月の輝き 星の愛など

 血肉の通わぬ憐れなまぼろし

 爆ぜ散る激情 満たして今

 あんたの心に叩きつける

 99期生 西條クロディーヌ

 今宵 キラめきで あんたを”

 

 「あんたを」じゃあねぇんだよなぁ何なの?なの??

 だいたいこれ、まぁ見ての通り普段の真矢の口上の返歌になってるんですよね。

 (月の輝き 星の愛 あまたの光集めていま あなたの心に届けましょう 99期生主席 天堂真矢 今宵キラめきをあなたに!

 ラップバトルじゃん。Say翔よりカオスなHo!じゃん。西條はHIPHOP志望か…(櫻木先生)

 あとこれで改めて思ったんですけど「月の輝き 星の愛」って、結局は天堂真矢自身が「太陽」という絶対的な存在で、真矢がいるから輝ける月や、真矢の輝きに隠されてしまう星を取り込んで燦々と輝くのが私だ、って事だとも取れるんですよね。そしてそれに対するクロディーヌの返歌が「血肉の通わぬ憐れなまぼろし」。つまりお前を引き立てるだけの脇役なんていないんだと、真っ向から全否定していくわけです。

  そして今までは「星」のように真矢の光に隠されていた私が、超新星爆発のような一瞬の感情のキラめきで今度は「太陽」すらも眩ませてやろうと、そういうことなんですよね。違うかも。天堂真矢が言う所の「空っぽの器」とやらをお前の本心、激情で満たしてやろうという、そういう意味にも捉えることができますね。いやもうさ…詩人になったら良いじゃん。鳥の空音もはかれねぇよ。

 

 それで天堂真矢はどうしたかって、まず先にボタンを弾かれてもペロッと舌出してしれっと復活してるクロディーヌに「舞台の理(ことわり)を捻じ曲げるのか…!」ってキレ散らかすんですよね。これアレだわソシャゲの方の舞台少女・天堂真矢は不屈だの退場回避だのを無視して相手を退場させられるのが唯一の個性ですからね。それを無視してしれっと退場回避されたらそりゃキレ散らかすでしょ。ソシャゲの方ではわりとクロディーヌが圧勝してるんだよなぁ…

 まぁ何でもいいや復活したクロちゃんに自分の口上をガッツリdisられた天堂真矢さん、そのお返しがもうヒドい。

 

”輝くチャンスは不平等

 千切って喰らえ共演者

 愛も自由も敗者の戯れ言

 天井天下 唯我独煌

 99期生 天堂真矢

 奈落で見上げろ 私がスタァだ”

 

 真矢も普段は「月の輝き、星の愛♡」とかセーラームーンみてぇな事言ってたのにこれさぁ…舞台少女の正体見たり!って感じだな…

 いやこれもね、勿論クロちゃんの口上に対する返歌になってるんですよ。

 (輝くチャンスは 誰もが平等 だから愛のダンスで 誰より熱く 自由の翼で 誰より高く 99期生次席 西條クロディーヌ C'est moi, la star!

 マジでひどいな。クロちゃんの「輝くチャンスは誰もが平等」っていうのは、天堂真矢を必ず超える、超えられるはずということでもあるし、クロディーヌ自身がまた皆の目標として追い抜かれないように努力し続けるという意味でもあり、つまりは彼女の根幹をなす理念なんですよね。それを他ならぬ真矢の口から「輝くチャンスは不平等」ってバッサリ切り捨てるの栄養が全部レヴューに行ってるんじゃねぇかこのスケベ舞台少女がよぉ…そんでもって「奈落で見上げろ 私がスタァだ」って清々しい傲慢さ。「誇りと驕り」ってそういう事かよ。

 

 でもこれ本当に凄いのはやっぱり天堂真矢のこれを引き出したクロディーヌですよ。何なのマジでこいつ。ほぼち○ちん亭のキャラじゃん。ちん○ん亭クロディーヌじゃん。

「天堂真矢はそんな下品にイかないわよっ♡死ねっ♡」

 孤高の強者として白鳥のように優雅なレヴューを常に…常に?華恋の時もちょっと危なかった気がしたんですけど…まぁいいや。常に見せてきた天堂真矢の舞台少女としての野生の本性を引き出したクロディーヌ、最上のライバルと言う他ありません。西條だけに。

 クロディーヌは「ライバル」として真矢の意識を自分に向けさせたかった。一方で天堂真矢は己を「全ての主役を映し出す空っぽの器」と表現します。ちん○ん亭…じゃなくてクロディーヌはその「器」を無慈悲に切り捨てることで、「空っぽ」などではなかった真矢の本性を暴き出すんですね。

 

「今のあんた、今までで一番カワイイわよ!」

「私はいつだって可愛い!!!」

 このやりとり本当に好き。傲慢で欲深い真矢の本性を暴いたクロディーヌが、その本性剥き出しの姿こそ「可愛い」と表現するんですが、対する真矢も傲慢さ剥き出しで台詞を返すんですね。「燃えながら落ちていく関係」って何だよ壊れるなぁ…いやでもこの二人の関係性は本当にそうなんですよ。好きとか嫌いとかじゃなくて、でも”互いを高め合える”ライバルかと言われればそれも違う。舞台の上でお互いを喰い合っていくことでその命を燃やしているんだよなぁ…

 

 ちなみになんですけど真矢の口上、「唯我独煌」は真矢の造語だと分かるんですけど「天井天下」って何だろう。同じような真矢のもじりなのか、まさかとは思うんですけど、パンフレットの誤植じゃないよね…?

 

 

★愛城華恋の過去編

 は?男いらないんだが。

 

………

 

………

 

 ウソウソ。いや、いいですよ別に。良くはねぇか。

 

 それはともかく、ワイルドスクリーンバロックの幕間では愛城華恋が聖翔音楽学院に入学するまでの回想が入ります。

 幼少期、プリパラに夢中だった引っ込み思案な少女の華恋は、神楽ひかりと出会います。プリパラだっけ?なんかカタカナ四文字だった事は覚えてるんですけどね。キラミラでしたねお友達のカードもスキャンできるよ

 ある日ひかりと一緒に訪れたスタァライトの演劇が華恋の運命を変えることになりました。キリンのナレーション(というかあらすじ)によれば、この時5歳。この時から華恋とひかりの「約束」が始まります。

 

 小学校時代、小さな劇団(アネモネだっけ?)に参加した華恋はその頭角を表し始めます。「頭角」っていうか、華恋がそんな昔から舞台少女として頭角を表していたのがぶっちゃけちょっと意外ではありましたね。聖翔で落ちぶれてたお前は何だったんだよ…

「運命だから!見ないし調べない!」

 中学時代の華恋は幼少期の約束を律儀に守ってひかりに手紙を出し続け、華恋からはひかりの事を一切調べないと心に決めていたものの、ついに禁断のGoogle検索に手を出してしまいます。ここも分かりすぎてキリンになった。こうして華恋はひかりがイギリスの王立演劇学校(だっけ?)に合格したことを知るのですが、アニメ1話のひかりとの再開では約束を破ってひかりのことを調べていたことをこっそり後ろめたく思っていた事が明らかになりましたね。まぁひかりのことを調べない云々は華恋の自分ルールなので、別に約束は破ってないんですが。

 

 でもこうして見ると、アニメの主人公であったにも関わらず愛城華恋という人物については今まであまりにも謎が多かったんですね。ここではアニメで語られてきた華恋とひかりの「約束」、そして現在の華恋とを繋ぐディテールが分かったと共に、華恋もまた舞台少女として努力の日々を送ってきたということが分かったのが良かったですね。

 キリンのあらすじでは「わずか5歳で運命を溶鉱炉に。」ってあるんですけど。そんなアレなの!?とは思いましたけどね。え、「舞台少女」って、単に舞台を愛する少女ってことじゃないの!?それこそ「森ガール」とか「理系女子」みたいなのと同列と思ってたんですけど、そうじゃなくて最早これもう「魔法少女」とかと同じレベルの運命的な存在って事なんですかね。

 

 

★華恋とひかりのレヴュー

 ここが舞台だ、愛城華恋!

 

 いやここで第四の壁を意識させてくるの凄すぎるでしょ…これ、アニメの最終話でもキリンがこうして「こちら」に語りかけてくる描写があったんですけど、彼女たちの行っていた「レヴュー」には紛れもない「私たち」という観客がいたことをここで示唆しているんですよね。そして彼女たちはそれを認識していたと。じゃあひだまりPが嫉妬のレヴューを狂ったように繰り返し見ていたのも「見られていた」のか…

 そして華恋だけがそれを知りませんでした。それは彼女にとって、「神楽ひかり」こそが舞台であったから。そしてここで初めてその第四の壁を認識した華恋は、これまで立っていた舞台に注がれる観客の視線、そしてその前で「神楽ひかり」だけを目指して舞台に立ち続けてきた自分が「次の台詞」をどう演じていいか分からず、死にました

 華恋の突然の死に、つんけんしていたひかりちゃんも流石にドン引き。流石の彼女も役に入るのを忘れて華恋に取りすがります。こいつ今回ずっと謝ってんな

 

 舞台の上で一度死んだ華恋は、ポジションゼロの棺桶から再び舞台の上に蘇ります。ポジションゼロは舞台の中心。舞台の中心に立てるスタァは一人だけ。華恋がずっと目指してきたひかりとの舞台、そしてそれまでの日々をも「次の舞台」に立つための燃料にして、「愛城華恋」を「再生産」しました。そして、愛城華恋の最後の台詞は。

 

「私、ひかりに負けたくない──」

 

 ある意味この最後のレヴューは、これまで「ワイルドスクリーンバロック」と称して散々脈絡のない場面の切り替えを見せてきたこの映画のまさに「終着駅」なんですよね。舞台にいながら演じることができない「舞台少女の死」を華恋が身を持って体感し、そして最後は次の舞台へと、キラめきを「再生産」する。列車の終着駅ではこれまでの二人の象徴であった「約束タワー」が崩壊し、愛城華恋は愛城華恋として、神楽ひかりは神楽ひかりとして、そして皆も先へと進んでいきます。

 前掛けを脱ぎ捨てて空へ飛ばすシーンは若干の「これやっとけば卒業式っぽくなるだろ」感はあったんですが、まぁいいや。これほど脈絡なく場面がめまぐるしく切り替わっていくにも関わらず、このラストがあることによってこれまでの全てが最後は一本の筋で繋がるというのが本当にすごい。

 

 

★エンディング

 もうさぁ何なの…最初にひだまりPアレじゃんなんか、エモくて泣いたとかクソみてぇな事言ったじゃないですか。なんでここでもう一回泣かせにくるの…

 

 いやいいよこれ、本当にこういう「それぞれの未来」みたいなエンディング本当に好きよ。ただここは泣いたというよりも、あまりにも全ての感情を出し尽くして放心していたという感じでしたね。感情が溢れすぎて泣くどころではなかった。

 

 

★まとめ

 

 トゥデイズ チカキンズ ポイント。

 

 

 ドゥルルルルルルルルルルルルルル………

 

 

 

 

 

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100点(ワンハンドレッド)~!!!

 

\マブシイーカラキットー/ \ミエナインダー♪/

 

 いやもう…文句なしなんだよなぁ…

 

 もう最初の感傷からワイルドスクリーンバロックに入ったところでひだまりPのもう何、感情って言うんですか。全部ギュッと掴まれましたね。ひだまりPがこれまで少女☆歌劇 レヴュースタァライトに対して持っていた気持ちを全部裏返しにぶち撒けて一個一個見せつけられたような、映画を観終わった後はそんな気分でした。

 正直映画を観る前は「難解過ぎてよく分からなかったらどうしよう…」って思ってたんですが、もう難解とか言う以前に感情のバットで殴られっぱなしだったのでもう映画の内容を「理解する」とか「しない」という以前の話でした。

 映画の内容をもっと理解したい方はパンフレット買うのがオススメです。と言うかパンフレットはマジで買った方が良い。あれ、パンフレットに名を借りた本編の続き&解説資料だから。

 

 あと本編中ではあまり言及しませんでしたが、音響による演出も素晴らしかったです。ちょっと怖い部分も含めて。ということで、まだ1度しか観れていないんですが上映中にまたリピートしたいと思います。

 

 まだ再演して新たに分かったことがあればこの記事も加筆修正していきたいと思います。

 

 それでは、乱文ながら最後までお付き合い頂きありがとうございました!

 

 

 皆様、よきラブライブを!

 

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【おまけ】

 

皆殺しのレヴュー。

スタリラは…もう、死んでるよ。