[あらすじ]
花咲く高校生活を夢見る花帆。入学した蓮ノ空女学院は思い描いていた環境とはほど遠かったが、スクールアイドルの梢と出会い……。
ちゅんちゅん、ハローラブライブ!どうもひだまりPです。今回はラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの公式アプリ『Link! Like! ラブライブ!(以下リンクラ)』のストーリーを解説および考察していきたいと思います。
もくじです。
Link! Like! ラブライブ!について
あなたとスクールアイドルコネクトしたい──!!
↓4ヵ月後…
「Link! Like! ラブライブ!」(以下リンクラ)のアプリ自体は8月26日現在まだ完成しておらず、まだ完成しておらず、まっだっ完成しておらず!「アーリーアクセス版」として生放送とストーリー、そのほか変なミニゲームを含む一部機能のみが解放されています。開発が間に合っていないのは残念なところでしたが、ストーリー自体はフルボイス&フル3Dで1話あたり約1時間前後の大ボリュームで、内容的にもファンからの評価はおおむね高く期待を大きく上回っていた印象です。
リンクラのストーリーの大きな特徴は現実世界のカレンダーと蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの活動がリンクしているという点で、4月のストーリーでは日野下花帆をはじめ1年生が蓮ノ空女学院に入学し、直近の8月では海で夏合宿が行われ、最新話である第10話で藤島慈が加入した日にゲーム内でも藤島慈のファンLvがアンロックされました。
ということでストーリーに言及するのが遅くなりすぎて既に第10話まで公開されてしまっていますが、今回は3話までの「スリーズブーケ」結成編について語っていきたいと思ってましたが第1話について話していたら長くなりすぎてしまったので、今回は第1話『花咲きたい!』について語っていきます!
ワロめぐ。DB綴理がナーフされたらリンクラ活動記録の感想ブログでも何でも書いてやるぜね。 https://t.co/sxwK3s6lLM #Peing #質問箱
— ひだまりP (@Hidamarie_win) 2023年6月27日
やっちまったので。
第1話『花咲きたい!』
「花咲きたい!」というタイトルは、ラブライブ!サンシャイン!!のアニメ第1話「輝きたい!」を彷彿とさせますね。この「花咲く」というフレーズは主人公の日野下花帆ちゃんを始め蓮ノ空の重要なキーフレーズになっています。
花帆とさやかの出会い
大丈夫だよ、さやかちゃんすっごくかわいいから、
すぐにお友達たくさんできるよ。 [花帆]
全寮制の高校、蓮ノ空女学院に入学した日野下花帆ちゃんと村野さやかちゃん。この2人から物語は幕を開けます。ストーリーがバスの中から始まるのってどうぶつの森以来じゃない?まぁそれはなんでもいいんですけど。
ちなみに二人は初対面です。
すみません、わたしはこの学校で、
あまり人と仲良くする気がないので……。 [さやか]
幼少期は身体が弱かったこともあり、過保護気味の親元から離れて意気揚々としている花帆に比べてもう1人の1年生、さやかちゃんは何だか過去に色々とあったようで……ようでしたが、先に言うとこの設定はあってないようなもので実際は花帆より先にスクールアイドルクラブに入部して高校生活をエンジョイしています。紫吹蘭でも打ち解けるまでもうちょっと面倒臭かったぞ。一応さやかちゃんの過去については第4~6話で明かされます。
さやかちゃん、最初はちょっと棒読み感が気にはなりましたが…花帆との掛け合いがテンポよくて本当に漫才みたいだったのがかなり見ていて面白かったですね。と言うかこの「村野さやか」という女がマジにストーリー適性が高くて、これがリンクラを初めて最初に驚いたところでしたね。
正直なところひだまりPも、初めて村野さやかを見た時は「あ~、(所謂ラブライブ!における)そういう”枠”ね…」くらいにしか思ってなかったんですが……全くの見当違いでした。むしろラブライブ!の全シリーズに「村野さやか枠」が要るんだよなぁ…この女の会話とツッコミのテンポ感、マジでラブライブ!全シリーズ随一と言っても澁谷過言ではないです。これは10話現在でも変わらず。
あとこのゲームの字幕は何故か昔のエロゲーみたいにクラシックなフォントが使われており、ムービー感を出すためかメッセージウインドウ的なものも無くてキャプチャからだと若干読みづらいのでセリフの内容をそのまま下に転記しています。
蓮ノ空女学院について
大都会金沢の街での新生活に希望を膨らませていた花帆ちゃんでしたが、実際は蓮ノ空女学院の校舎は金沢の中心街からかなり離れた山中にあり街へ出るバスは週1回だけ。ライフラインは寮の施設と学校の購買部だけと言う吉幾三ばりの環境が待ち受けていました。
人はパンのみにて生きるにあらず、だよ、さやかちゃん……。
希望がなくっちゃ、人は生きていけないんだ……。 [花帆]
蓮ノ空の皆、皆ちょっと詩的な言い回しをすることがちょいちょいあって教養を感じさせますね。一番おバカっぽい瑠璃乃ちゃんとかもプロフィールの好きな言葉に千利休の言葉を引用していたりしますし。まぁルリがおバカ枠だというのもフェイントだったんですけど。
なかでも花帆ちゃんは昔身体が弱くてよく学校を休んでいたという設定があって、本をよく読んでいたということから特に語彙の広さが随所に出てきていますね。
というわけで、恵まれた大自然(皮肉)の中で、
皆様には厳粛な規律と、確固たる伝統を学んでいただきます。 [寮母]
マドカ理事長なにやってんですか。
蓮ノ空女学院についても説明しておくと、100年以上もの歴史と伝統のある学校で花帆たちは103期生にあたります。特に芸術分野での名門校であり、それ故にスクールアイドルクラブも歴史があって代々3つのユニットに分かれて活動するなどの伝統を守っているほか後で判明しますがラブライブの優勝経験もあることが明かされています。ラブライブ!の作品においてラブライブ(大会)で優勝したことが明言されている学校は全部で4校ありますが、現役世代ではなく過去の先輩が優勝しているという設定は蓮ノ空が初めてですね。
もちろん、花帆たちが生活する寮においても厳粛な規律があり…
ボクは夕霧綴理。
こず(※注 乙宗梢)と同じ、スクールアイドルクラブの二年生だ。 [綴理]
厳…粛?
脱色・インナーカラー・髪飾りとチョーカーが許されてる学校に厳粛な規律もクソもねぇだろ。っていうか普通に梢先輩もムラサキトサカだし。湘南爆走族か?まぁこの辺の髪色問題は大分昔から擦られてきたアニメあるあるではあるんですけどね。
あと金沢駅へのバスが週1回日曜日だけしか出てない設定もすぐに有名無実化します。まぁ厳粛な規律うんぬんの話はブルーアーカイブの透き通るような世界観と同じであくまで建前って事ですね。
脱走だ! [花帆]
窮屈すぎる高校生活に嫌気が差した花帆は、学校から脱走を企てます。
花帆と梢の出会い
だ、大丈夫ですから!すぐ、すぐ立ちますから!
下ろしてくださいー! [花帆]
ラ~ラ~ラララ~ラ~ラ~♪ 百合の迷路~♪
たまげたなぁ…
2年生の乙宗梢先輩。音楽に精通した名家のお嬢様で、自分のことを「私(わたくし)」と呼び、おっとりした物腰柔らかな口調が特徴。しかしスクールアイドルのステージをDIYで作り、花帆のことを軽々と持ち上げるなど並々ならぬフィジカルの強さを持ち合わせてもいます。
学校を脱走しようと森へ入った花帆が道に迷っていた所を助けてくれた梢先輩に連れられ、初めてスクールアイドルのライブを観に来た花帆は、同じく2年生の夕霧綴理に連れられてきたさやかと再会し、2年生のステージを一緒に観ることになりました。
夕霧先輩にご指導お願いしたいです❤
どうか、スクールアイドルクラブに入れてください!! [さやか]
いやお前が入るんかい!!!
夕霧先輩に一目惚れしてスクールアイドルクラブに加入を決めたさやか。彼女の物語は第4話~6話で掘り下げられますが、一方の花帆は梢先輩から勧誘されるかわり、次回のライブのお手伝いを頼まれます。
乙宗梢について
ということでこのストーリーの読後からひだまりPの蓮ノ空の推しメンに満場一致で決定した、乙宗梢先輩。
この第1話~3話だけでも梢先輩の花帆ちゃんに対して優しい先輩としての一面と、それだけではなくまんまと花帆ちゃんをマネージャーにしたり、そのままの流れでスクールアイドルクラブに勧誘したりなどちょっぴりしたたかな一面も見られます。
蓮ノ空女学院はラブライブ本大会の常連でもあるスクールアイドル界の強豪校で、物語開始時点では既にスクールアイドル部(クラブ)が存在している、というのはシリーズの中でも一線を画す点だと思うんですけど、これまでのシリーズの多くは先輩後輩の区別はあまりなく横一線でヨーイドンだったので蓮ノ空は特に先輩と後輩の関係性の書き方が上手なんですよね。えっ何?スーパースター2期?何ですかそれ。
そういう事もあって梢先輩だけではないですが、2年生は皆上級生としてスクールアイドルの実力があることもさながら梢先輩にも梢後輩だった時期が当然あって、そして初めての「先輩」として1年生に対してかくありたい、という気持ちが態度に表れてる。その初々しさがとても良いんですよね。
やっぱりラブライブ!って、昔はもうちょっとこう無垢なエロスというかひだまりPも正直HENTAI ANIMEとしてこの作品を見ていたんですけど、ラブライブ!スーパースター!!あたりからは公式もかなりプラトニック路線にシフトしてきていますよね。
まぁそれも仕方ねえか。これも時代の流れですからね。新時代に俺の乗る船はねえって……
乙
パ
イ
デ
カ
胸
梢
先
輩!!?!?!??!?!?
俺の乗る船あるじゃん。全然あったわこの時代の名が白ひげだわ。ワンピースは実在するわ。何これエッッッロ!?いや、これなんですよねラブライブ!って。
「あらゆる性的示唆を含みながら、直接の性表現を伴わない桃源郷」って以前南ことりについて言及したブログで書いたんですけど、乙宗梢はマジで原点回帰ですよね。初代ラブライブ!が纏っていたそれに限りなく近い。
そもそもラブライブ!に毎シリーズかならず「変態=清楚枠」がいるのも、そもそものラブライブ!のコンセプトとして「スケベ隠して尻隠さず」というのがあるからだけど、園田海未にはじまり黒澤ダイヤ、桜坂しずく、葉月恋と受け継がれてきた変態清楚枠が乙宗梢でひとつの究極形を迎えたのではないか。
— ひだまりP (@Hidamarie_win) 2023年7月8日
更に言うと蓮ノ空は金沢の山奥にある全寮制の高校というクローズドな環境で歴代作品よりもいわゆる「百合」的な関係性の示唆に富んでいるんですけど、これがすごくいい塩梅で関係性の押しつけにもなっておらずむしろむしろ彼女たちの「性」を醸し出すスパイスになっているんですね。ラブライブ!の本質は「奔放な性」ですから。百合に過度に傾くこともなく、しかし百合を否定もしないスタイルはひだまりPの考えるラブライブ!の理想的なバランスだと言えます。
そういう点で梢先輩はなぁ…だってこれ性の匂いプンップンじゃないですか。同棲したら加湿器いらなそう。
ラブライバー歴10年ひだまりPの名前にかけて太鼓判を押します。乙宗梢は「エロ」だと。
乙宗梢とスクールアイドル
第1話では念願の蓮ノ空に入学したものの、想像していた自由はそこになく牢獄のような学園生活に絶望して学校を辞めようか悩む花帆ちゃんが描かれますが、そんな花帆ちゃんにそれとなく相談された乙パ…梢先輩は自分の家のこととスクールアイドルについて話してくれます。
もし親の反対を押し切ってスクールアイドルを続けていたら、
それはきっとどこかで、親に反発するための活動になっていたから。[梢]
音楽一家の跡取りとして期待されていたこと、親にスクールアイドル活動を反対されていたこと、それでも粘り強く両親と交渉して活動を認めてもらったことを花帆ちゃんに話す梢先輩。
これはね本当に第1話で最大の推しポイントで、こういう親との関係性ってラブライブ!原案の公野櫻子先生もすごく大事にされていた世界観なんですよね。特にこのシーンで梢先輩はそれを言語化してくれたと思って、確かにこれまで真姫ちゃんしかり、鞠莉ちゃんしかり、せつ菜ちゃんしかり、もちろん親に反発する描写はあっても、最終的に家族との関係性にキズを入れてまでアイドルにこだわるって描写は無かったですよね。
そういう家族との関係もちゃんも大事にするのが「学校でアイドル」という本作のコンセプトにおける大切なポイントだと思っていて、それをちゃんと守りつつしっかりと言語化している所に本作のラブライブ!に対する理解とリスペクトを感じます。
「ラブライブ!とは南ことりの事である」とひだまりPはずっと主張していましたが、乙宗梢…その粋に入ってるかも。天女の粋に。ラブライブ!プロジェクト発足から実に13年の月日が流れ、ようやく現れたのかもしれない。「南ことり」を継ぐ女が──
と た け け
まるで花が咲くように
光を、雨を、風を、待ってるだけじゃない!
あたしはあたしの力で、咲いてみせる![花帆]
羽ッ!降らずにはいられない!!!
親の期待に背を向けることなく、自分の置かれた立場と環境の中で自分の本当にやりたいことを実現していた梢先輩。そんな梢の思いを知った花帆は環境のせいにして拗ねていた自分を恥じ、そして自らがこの学校を楽しい場所に変えていこうと決意します。
そして花帆は梢とともにスクールアイドルとしての第一歩を踏み出したのでした。
輝いてる先輩の姿を見て一念発起するというプロットがラブライブ!的には結構新鮮だったのもあって、ちょっと進研ゼミ漫画感はあるものの「スクールアイドルの物語」の第1話としてはあのラブライブ!スーパースター!!「の第1話」に匹敵するほどのカタルシスを秘めていた回でしたね。
ということで。
まとめ
トゥデイズ チサキンズ ポイント。
ドゥルルルルルルルルルルルルルルルルルル………
100点(ワンハンドレッド)~!!!
\フラワー!!/ \フラワー!!/
文句なしです。完全にラブライブ!アニメシリーズ第1話のそれでした。
花帆とさやか、さやかと綴理、そして花帆と梢というガール・ミーツ・ガール要素は歴代ラブライブ!と同じくして、特に第1話では花帆が梢との出会いを通して自分の「やりたいこと」を見つけていくというラブライブ!シリーズ王道のストーリーでもありました。
しかしその中でも舞台設定や先輩後輩の関係性の書き方は今までのラブライブ!ではあまり見られなかった新鮮なものでしたね。新規性もありつつしっかりとラブライブ!シリーズの良さを守っているのはシナリオとしての作り込みの凄さを感じさせます。
ほんっとにすてきでした!
花帆の花丸印、あげちゃいます![花帆]
またゲーム内ストーリーにも関わらずアニメを見ているようにテンポの良い登場人物の掛け合いも非常に良かったポイントで、サクサク読むことができますね。
2話以降の記事も続々更新していきたいと思います。それでは、よきラブライブを!
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